※当サイトはアフィリエイト広告を含みます(本記事には書籍の広告リンクがあります)。試験の情報は日本商工会議所の公表資料をもとにしています。
「簿記3級って、経理の仕事をしていない会社員に意味があるの?」「数字が苦手でも、仕事をしながら受かる?」と迷っている方は多いと思います。

でも実は、簿記3級は「経理の人のための資格」というより、家計を「1年の出入り」と「持っているものの一覧」に分けて見るための道具です。試験も変わっていて、今はパソコンで受ける試験なら、ほぼいつでも受けられます。2026年4〜6月のパソコンの試験の合格率は44.5%です(日本商工会議所)。
この記事では、①簿記3級の試験の今 ②家計にどう効くか ③2か月で受かる進め方 ④パソコンの試験と紙の試験の違い ⑤FP3級・FP2級との順番 ⑥合格した後にやることを、図と私自身の受験の経験で説明します。
① 受験料は3,300円。パソコンの試験ならほぼいつでも受けられ、合格率は44.5%(2026年4〜6月)
② 家計を「1年の出入り(PL)」と「持っているもの一覧(BS)」に分けて見られるようになる
③ 教科書1冊と問題集1冊で、2か月が目安
④ 家計に使うならFP3級→簿記3級→FP2級の順が進めやすい
簿記3級の今:パソコンの試験ならいつでも受けられる
簿記3級(日商簿記検定3級)は、日本商工会議所が行っている試験です。お店や会社のお金の動きを記録し、1年の終わりにまとめる、基本的な決まりを学びます。

受け方は2つあります。1つは、年に3回、決まった日に紙で受ける統一試験。もう1つは、2020年12月に始まった、パソコンで受ける試験(ネット試験)です。パソコンの試験は、全国140を超える会場が決めた日に受けられるので、勉強が仕上がった時期に合わせて受験日を選べます(日本商工会議所)。
受験料はどちらも3,300円です。パソコンの試験は、会場によって別に事務手数料(0円〜550円)がかかります。合格率は、パソコンの試験が44.5%(2026年4〜6月)、紙の試験が33.8%(2026年6月14日の第173回)でした。どちらも問題の範囲と難しさは同じとされています。
パソコンの試験を受ける人は年々増えていて、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の3級の受験者は27万6,477人、合格率は40.8%でした。社会人が仕事の合間に受ける試験として、すっかり定着しています。

簿記って経理の人が取るものでしょ? 会社でお金の仕事をしていない人にも意味あるの?

家計に使うなら十分に意味があるよ。家計を「1年の出入り」と「持っているもの一覧」に分けて見られるようになるんだ。
家計にどう効く?「1年の出入り」と「持っているもの一覧」
簿記で学ぶいちばん大事な考え方は、お金の流れを2つの表に分けて見ることです。会社では「損益計算書(PL)」と「貸借対照表(BS)」と呼びますが、家計に置きかえると、とても身近な話になります。

1年の出入り(PL)
1年間に入ってきたお金(給料・副業など)と出ていったお金(固定費・生活費など)を並べ、差し引きでいくら残ったかを見る表です。毎月つけている家計簿は、こちらにあたります。
持っているもの一覧(BS)
ある日の時点で、持っているもの(預金・NISA・家・車など)と借りているもの(住宅ローンなど)を並べ、差し引きで本当の財産がいくらかを見る表です。家計簿だけでは見えにくい部分です。
例:持っているもの一覧を作ってみる(架空の例)
ある家庭が、年に1回の一覧を作ったとします。持っているものは、預金300万円・NISA200万円・車の価値100万円・家の価値2,500万円で、合計3,100万円。借りているものは住宅ローンの残り2,000万円です。差し引きの「本当の財産」は1,100万円。翌年、預金が50万円減っても、NISAが100万円増え、ローンが80万円減っていれば、本当の財産は増えています。毎月の家計簿だけでは見えない「家計の成績」が、この一覧で分かるのです(家や車の価値は、ざっくりした目安で十分です)。
「1年の出入り」も同じように見られます。たとえば1年間の手取りが500万円で、出ていったお金が460万円なら、残ったお金は40万円です。この40万円が預金やNISAに回れば、翌年の「持っているもの一覧」が40万円分増える、という形で2つの表はつながっています。出入りの表で残したお金が、一覧の表を育てると考えると、家計簿をつける意味がはっきりします。
2つを分けて見ると、家計の判断が変わります。たとえば、ある月の支出が多くても、その分が預金からNISAへの移動なら、本当の財産は減っていません。反対に、毎月の家計簿が黒字でも、車のローンが増えていれば、本当の財産は思ったほど増えていないことがあります。「今月は赤字だった」と落ち込む前に、年に1回、持っているもの一覧を作って去年と比べると、家計が本当に良くなっているかが分かります。
簿記では、お金の動きを「何が増えて、何が減ったか」の2つの面で記録します(仕訳といいます)。たとえば「預金から10万円をNISAに移した」なら、「NISAが10万円増えた/預金が10万円減った」と書きます。この書き方に慣れると、家計のお金の動きを、原因と結果の両方から見られるようになります。
2か月で受かる進め方
簿記3級の勉強は、教科書1冊と問題集1冊で始められます。私が使ったのは、TAC出版の「みんなが欲しかった!簿記の教科書/簿記の問題集 日商3級」です。

1か月目:教科書を1周し、仕訳の型を覚える
最初の1か月は、教科書を最後まで1回読み、取引の書き方(仕訳)の基本の型を覚えます。最初は「借方」「貸方」という言葉で混乱しますが、左が「増えたもの・使い道」、右が「減ったもの・出どころ」と考えると整理しやすくなります。
2か月目:過去の問題をくり返し解く
2か月目は、問題集と過去の問題をくり返し解きます。間違えたところだけ教科書に戻って確かめ、同じ問題を3回解くつもりで進めると、出題の型に慣れてきます。
パソコンの試験の3級は、試験時間60分で、問題は3題以内です。仕訳の問題は、勘定科目をプルダウンから選んで答える形で、金額や科目名を入力する問題も出ます(日本商工会議所)。問題集を解くときも、60分で解き切る練習を何回か入れておくと、本番で慌てずに済みます。
私の場合
私は簿記の知識がまったくない状態から始め、通勤の30分と週末の2時間を2か月続けて、パソコンの試験で合格しました。合計でおよそ36時間です。勉強が仕上がった日に受験日を決められたのが、仕事と両立するうえで助かりました。必要な時間は人によって違いますが、「毎日少しずつ」が続けやすい方法だと感じています。
いちばんつまずいたのは、1年の終わりに帳簿をまとめる「決算」の部分でした。教科書を読んだだけでは分からず、問題集で同じ型の問題を何度も解いて、ようやく流れがつかめました。分からないところで止まらず、いったん先に進んで、問題を解きながら戻るほうが、結果的に早く理解できたと感じています。
※教科書と問題集のセットです(楽天市場・アフィリエイトリンクを含みます)。
パソコンの試験と紙の試験、どちらで受ける?
どちらの試験も、問題の範囲と難しさは同じです。違うのは、受けられる日と受け方です。

- パソコンの試験(ネット試験)|全国140超の会場が決めた日に受けられます。毎週・毎月決まった日に行う会場もあれば、希望に合わせて行う会場もあります。電卓は自分で持っていきます(計算機能だけのもの)
- 紙の試験(統一試験)|年3回。2026年度は6月14日に第173回が行われ、次は2026年11月15日(第174回)、その次は2027年2月28日(第175回)です。申し込みは各地の商工会議所で行います
仕事の忙しさが読みにくい会社員には、勉強の仕上がりに合わせて日を選べるパソコンの試験が使いやすいと思います。ただし、紙の試験の前後には、パソコンの試験を受けられない「休止期間」があります(2026年11月は9日〜18日)。受けたい時期が決まったら、近くの会場の日程を先に確かめておきましょう。
パソコンの試験は、インターネットの申込専用ページから申し込み、受験料はクレジットカードかコンビニ・Pay-easyで払う方式が中心です(支払い方法は会場により異なります)。試験が終わると、その場で自動で採点され、結果を書いたスコアレポートが配られます。合格した人は、スコアレポートの二次元コードからデジタル合格証をスマートフォンに保存できます。
FP3級・簿記3級・FP2級の順番
お金の資格を家計に使いたいなら、FP3級→簿記3級→FP2級の順が進めやすいと考えています。私もこの順で受けました。

FP3級で、保険・税金・年金・投資などお金の全体像をつかみます。次に簿記3級で、家計を「出入り」と「一覧」で見る技術を身につけます。そのうえでFP2級に進むと、FP3級で学んだことを深めながら、数字の扱いにも慣れた状態で勉強できます。
もう1つの理由は、FP2級の受検資格です。FP2級を受けるには、FP3級の合格、FPの業務で2年以上の実務経験、AFP認定研修の修了のいずれかが必要です(日本FP協会)。会社員が独学で目指すなら、FP3級に合格しておくのがいちばん手軽な道なので、FP3級を先に取っておくと、簿記3級の後にそのままFP2級へ進めます。

もちろん、経理の仕事をしている人や、会計の話が好きな人は、簿記3級から始めてもかまいません。順番より、途中でやめずに続けることのほうが大切です。1つの資格を最後まで取り切った経験は、次の勉強を始めるときの自信にもなります。FP3級とFP2級の勉強の進め方は、FP3級の独学とFP2級の独学の記事で書いています。

資格を3つも取るのは大変そう……。

全部取らなくてもいいんだ。家計に使うなら、まずはどれか1つ。簿記3級なら2か月くらいで家計の見え方が変わるよ。
合格した後にやること
簿記3級の知識は、合格した後、家計に使ってこそ意味があります。おすすめは次の3つです。
- 年に1回、持っているもの一覧(BS)を作る|預金・NISA・iDeCo・家・車と、ローンの残りを書き出し、差し引きの「本当の財産」を去年と比べます
- 毎月の家計簿(PL)は「残ったお金」だけ見る|細かい項目より、毎月いくら残ったかを続けて見ます
- 残ったお金の行き先を決める|預金に置くか、新NISAで積み立てるか。老後に必要な金額の考え方は老後2000万円の記事で説明しています
一覧を作る日は、年度の初めや誕生日、ボーナスが出た月など、毎年同じ時期に決めておくのがおすすめです。同じ時期に作ると、去年との比べ方がそろい、「1年でどれだけ家計が育ったか」が素直に分かります。夫婦で一緒に数字を見る日にすると、お金の話をする良いきっかけにもなります。
確定申告で医療費控除などを申告するときも、お金の出入りを整理する力が役に立ちます(医療費控除の申請方法)。
まとめ|今日やる3つのこと
- 近くのパソコン試験の会場を探す|日本商工会議所の「ネット試験施行機関リスト」から
- 教科書と問題集を1冊ずつ用意し、2か月後の受験日を決める|先に日を決めると続きます
- 家計の「持っているもの一覧」を1回作ってみる|合格前からでも、考え方は使えます
数字が苦手で、簿記なんて自分には縁がないと思ってきた方も多いと思います。私も、借方と貸方の意味が分からず、最初の1週間は何度も同じページを読み返しました。
それでも、2か月続けたあとは、家計簿が「記録」から「判断の道具」に変わりました。毎月の赤字や黒字に一喜一憂するより、年に1回「本当の財産」がどう変わったかを見るほうが、ずっと落ち着いて家計を考えられます。
この記事を閉じたら、今週のどこかに15分だけ、教科書を開く時間をカレンダーに入れてみてください。それが最初の一歩です。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。
よくある質問
Q. 電卓は会場で借りられるの?
A. パソコンの試験でも、電卓は自分で持っていきます。計算機能だけのものに限られ、関数電卓などは使えません。持ち物は、受ける会場の案内で確かめてください。
Q. 2級も取ったほうがいいの?
A. 家計に使うのが目的なら、3級で十分です。経理の仕事に就きたい、会社の決算書をもっと深く読みたい、という人は2級も考えてみてください。
Q. 合格したら、すぐに結果が分かるの?
A. パソコンの試験は、試験が終わるとその場で自動採点され、結果を書いたスコアレポートが配られます(日本商工会議所)。紙の試験の結果は、申し込んだ商工会議所の案内で確かめてください。
あわせて読みたい
免責事項・出典
本記事は、日本商工会議所の公表資料と筆者の受験の経験をもとに、一般向けに整理したものです。試験の日程・受験料・合格率は変わることがあるため、受験前に日本商工会議所と受験する会場の案内でご確認ください。勉強時間は筆者の場合の例で、合格を約束するものではありません。
- 日本FP協会「2級・3級FP技能検定 試験要綱」 https://www.jafp.or.jp/exam/qualification/
- 日本商工会議所「日商簿記検定試験 ネット試験について」 https://www.kentei.ne.jp/33013
- 日本商工会議所「2026年度試験日程カレンダー」 https://www.kentei.ne.jp/calendar_2026
- 日本商工会議所「簿記 3級受験者データ(統一試験)」 https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class3
- 日本商工会議所「簿記 2級・3級受験者データ(ネット試験)」 https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2-3
※当サイトはアフィリエイト広告を含みます(本記事には書籍の広告リンクがあります)。試験の情報は日本商工会議所の公表資料をもとにしています。


コメント