住民税が2026年6月から上がったのはなぜ?定額減税ではない4つの理由と、6月だけ高い仕組み

住民税が6月から上がったのはなぜ?定額減税ではない4つの理由

※当サイトはアフィリエイト広告を含みます(本記事には広告リンクはありません)。制度の説明は総務省・国税庁・各市区町村の公表資料をもとにしています。

6月の給与明細を見たら、住民税の天引きが先月より上がっていた。「また増税?」「定額減税が終わったから?」と気になって調べている方は多いと思います。

6月の帰りの電車で、スマホの給与明細を見て住民税が上がっていることに驚く会社員

でも実は、住民税の定額減税は2025年6月の時点ですでに終わっています。2026年6月に上がった理由は別にあります。住民税は去年1月〜12月の収入と控除で決まるので、答えは「去年のあなたの家計の変化」の中にあるのです。さらに、6月の天引きだけは、ほかの月より少し高くなる仕組みもあります。

この記事では、①住民税がいつの収入で決まるのか ②定額減税との関係 ③2026年に上がる主な4つの理由 ④6月だけ高い理由 ⑤通知書で自分の理由を突き止める方法を、図で説明します。

この記事の結論
① 住民税は去年(2025年)1月〜12月の収入と控除で決まり、2026年6月から1年間天引きされる
② 定額減税で安かったのは2024年6月〜2025年5月。2026年に上がった理由ではない
③ 主な理由は「去年の収入が増えた」「控除が減った」「ふるさと納税を減らした」「6月だけ端数が足される」の4つ
④ 去年と今年の通知書を並べて3か所を見れば、自分の理由が分かる
目次

住民税は「去年の収入」で決まる

給料から天引きされる住民税は、前の年の1月1日から12月31日までの所得をもとに計算されます(総務省)。2026年6月から天引きされている住民税は、2025年1月〜12月の収入と控除で決まった金額です。

住民税は去年1月〜12月の収入と控除で決まり、次の年の6月から12回に分けて天引きされる

流れは毎年同じです。会社が1月に前の年の給料を市区町村に届け出て、市区町村が税額を計算し、5月から6月ごろに会社経由で「住民税決定通知書」が配られます。その金額が、6月から次の年の5月まで12回に分けて給料から引かれます。

つまり、給料の変化が住民税に出るのは、次の年の6月からです。今年の給料が変わっていないのに住民税が上がったなら、見るべきは「今年」ではなく「去年」です。この「1年遅れ」を知っているだけで、6月の明細の見え方が変わります。

ママ
ママ

今年は昇給もしていないのに、6月から住民税が上がったの。どうして?

パパFP
パパFP

住民税は去年1年間の収入で決まるんだ。去年、残業やボーナスが多かったなら、それが今になって出てきているのかもしれないよ。

「定額減税が終わったから」は去年の話

「住民税が上がったのは定額減税が終わったから」という説明をよく見かけます。しかし、2026年6月に上がった理由としては当てはまりません。

住民税の定額減税は2024年6月〜2025年5月で、終わって上がったのは2025年6月。2026年6月は関係ない

住民税の定額減税は、本人と扶養している家族1人につき1万円を減らす仕組みでした。対象は2024年6月〜2025年5月の住民税です。給料から天引きされる人は、2024年6月分は0円になり、減税した後の金額を7月から11回に分けて納めました(横浜市・東京都北区の案内)。

減税がなくなって住民税が元の金額に戻ったのは、2025年6月です。2025年6月と2026年6月を比べたときには、どちらも定額減税のない金額なので、上がった理由は定額減税以外にあります。

💡 「森林環境税で上がった」も違います
2024年度から、住民税と一緒に森林環境税(1人年1,000円)が集められています。ただ、それまで上乗せされていた復興のための1,000円が2023年度で終わったため、合計は多くの市区町村で変わっていません(大田区の案内)。

2026年に上がる主な理由は4つ

2026年6月に住民税が上がった人の理由は、多くの場合、次の4つのどれかです。当てはまるものを探してみてください。

2026年に住民税が上がる主な理由4つ:去年の収入増・控除の減少・ふるさと納税の減少・6月の端数

① 去年の収入が増えた

残業・ボーナス・昇給・副業などで、2025年の収入が2024年より増えた人は、住民税も増えます。住民税の所得にかかる部分は、どこに住んでいても所得の10%が基本です。

たとえば年収が500万円から530万円に増え、ほかの控除が変わらない場合(架空の例)、給与所得控除(会社員の経費にあたる差し引き)を引いた後の所得は24万円増えるので、住民税は年約2万4,000円・月約2,000円増えます(社会保険料が増えた分の控除は考えない、おおよその計算です)。

② 控除が減った

収入が同じでも、差し引かれる控除が減れば住民税は上がります。よくあるのは次のような場合です。

  • 子どもが23歳になった|住民税の扶養控除は、19〜22歳の子は45万円、23歳以上は33万円です。年齢はその年度の1月1日時点で数えます(2026年度なら2026年1月1日)。45万円から33万円に変わると、住民税は年1万2,000円・月1,000円上がります
  • 子どもが働き始めて扶養から外れた|扶養控除そのものがなくなります
  • 配偶者のパート収入が増えた|配偶者の収入が増えると、配偶者控除や配偶者特別控除が小さくなったり、なくなったりします
  • 住宅ローン控除の期間が終わった|所得税で引ききれなかった分を住民税から引いていた人は、その分が元に戻ります(住宅ローン控除の年末調整)
  • 医療費控除を受けなかった|前の年に受けていた人は、その分がなくなります(医療費控除の申請方法)

③ ふるさと納税を減らした・やめた

ふるさと納税をした翌年は、住民税から寄付の分が差し引かれます。2025年の寄付が2024年より少なかったり、寄付をしなかったりすると、差し引かれる分が減るので住民税は上がって見えます。控除がきちんと反映されているかの確かめ方は、ふるさと納税と住民税の記事で説明しています。

④ 6月だけ高い

もう1つ、6月の天引きだけがほかの月より高いという場合もあります。これは理由①〜③とは違い、毎年起きる計算の仕組みです。次の章で説明します。

6月だけ高いのは、端数が6月に足されるから

給料から天引きされる住民税は、1年分を12で割って毎月の金額を決めます。このとき100円未満の端数は切り捨てて、切り捨てた分は最初の月=6月分にまとめて足す決まりになっています(国分寺市・焼津市などの案内)。

年の住民税25万3,000円の例:月21,000円で、端数の1,000円が足される6月だけ22,000円

たとえば1年分の住民税が25万3,000円なら、12で割ると21,083円です。100円未満を切り捨てて月21,000円。12か月分では25万2,000円なので、残りの1,000円が6月分に足されて22,000円になります。7月からは21,000円です。

6月だけ多く足される金額は、多くても1,100円ほどです。6月と7月の明細を並べて、7月に下がっていればこの仕組みです。7月以降も高いままなら、理由①〜③のどれかを疑ってください。

なお、2024年6月と比べている人は注意が必要です。定額減税があった2024年は、6月分の天引きが0円で、その分を7月から11回に分けていました。2024年の明細と比べると、6月の差は特に大きく見えます。比べるなら、2025年6月の明細と比べてください。

通知書で理由を突き止める:去年と並べて3か所

自分の理由を確かめるいちばん確実な方法は、今年と去年の「住民税決定通知書」を並べることです。会社員なら、毎年5月から6月ごろに会社から配られる紙です。

休日の朝、ソファで去年と今年の住民税の通知を見比べる夫婦
住民税決定通知書を去年と並べて見る3か所:総所得金額・所得控除の合計・税額控除
  1. 総所得金額(給与所得)|増えていれば、理由①(去年の収入が増えた)です
  2. 所得控除の合計|減っていれば、理由②(扶養・保険などの控除が減った)です。内訳の欄で、扶養控除などのどこが減ったかも分かります
  3. 税額控除|減っていれば、住宅ローン控除やふるさと納税(寄附金の控除)が減っています

欄の名前や並び方は、市区町村によって少しずつ違います。見当たらないときは、通知書を発行した市区町村の住民税の窓口に「去年より上がった理由を知りたい」と聞けば、どの数字が変わったかを教えてもらえます。去年の通知書がない場合も、窓口で確かめられます。

例:3か所を並べてみる(架空の例)

45歳の会社員で、去年の通知書と並べたところ、総所得金額は前の年とほぼ同じ、所得控除の合計は12万円減っていた、税額控除は同じだった、という人がいたとします。この場合は、控除が減ったことが理由です。内訳を見ると扶養控除が減っていて、子どもが23歳になったことが分かります。12万円の10%で、住民税は年1万2,000円上がった計算です。

ママ
ママ

去年の通知書、引き出しの奥にあったわ。並べてみたら、税額控除の欄が減ってる……。

パパFP
パパFP

去年はふるさと納税を少なめにしたから、その分だね。理由が分かれば、「増税された」と心配しなくていいんだ。

2026年度の改正は「下げる方向」。ただし当てはまる人は限られる

2026年度(2025年の収入にかかる分)の住民税には、いくつかの改正が入っています。どれも住民税を下げる方向の改正ですが、当てはまる人は限られます(世田谷区の案内)。

  • 給与所得控除の最低額が55万円→65万円|対象は給与収入190万円以下の人だけです。年収がそれより多い人の計算は変わりません
  • 扶養に入れる家族の所得の上限が48万円→58万円|給与収入だけなら103万円→123万円。パートの配偶者や子どもを扶養に入れやすくなりました
  • 大学生年代の子の控除(特定親族特別控除)の新設|19〜22歳の子の所得が58万円を超えても123万円以下なら(給与収入だけなら123万円超188万円以下)、収入に応じて3万〜45万円の控除が受けられます

多くの40代会社員の給料には、1つ目の改正は当てはまりません。アルバイトをしている大学生の子がいる家庭は、3つ目の控除で住民税が下がる可能性があります。年末調整や確定申告で申告していないと受けられないので、年末調整2026年の変更点もあわせて確かめてください。

まとめ|今日やる3つのこと

  1. 6月と7月の明細を並べる|7月に下がっていれば、6月の端数の仕組みです
  2. 今年と去年の住民税決定通知書を並べる|総所得金額・所得控除の合計・税額控除の3か所を見比べます
  3. 分からなければ市区町村の窓口に聞く|どの数字が変わったかを教えてもらえます

住民税は6月、社会保険料は10月に変わります。秋に手取りが減ったときは10月に手取りが減る理由をご覧ください。

6月の明細で住民税が上がっているのを見ると、「また取られる」と気持ちが沈みます。
でも住民税には、必ず理由があります。そしてその理由は、去年の通知書と今年の通知書の、たった3か所に書かれています。理由が分かれば、慌てずに来年の家計を考えられます。
この記事を閉じたら、今年と去年の住民税決定通知書を出して、並べてみてください。それだけで、「なぜ上がったのか」の答えが見つかります。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。

よくある質問

Q. 年収が1,000万円を超えていて、2025年度にも減税があった気がするのですが?

A. 本人の合計所得が1,000万円を超えるため配偶者控除を受けられず、所得が一定以下の配偶者と同じ家計で暮らしている人は、2025年度(2025年6月〜2026年5月)の住民税で配偶者の分の1万円が減税されていました(東京都北区の案内)。この人は、2026年度にその1万円がなくなっています。

Q. 退職・転職したら住民税はどうなるの?

A. 住民税は去年の収入で決まるので、退職した後も去年の分を納めます。年の途中で退職すると、残りの月の分は自分で納める方式に切り替わることがあります。手続きは勤め先と市区町村で確かめてください。

Q. 副業の収入があると住民税はどうなるの?

A. 副業の所得も住民税の計算に入ります。去年副業を始めた人は、今年の住民税が上がる理由になります。申告の方法は会社員の副業の税金で説明しています。

Q. 来年の住民税を下げるには?

A. 来年(2027年度)の住民税は、今年(2026年)1月〜12月の収入と控除で決まります。iDeCoの掛金は全額が所得控除になり、ふるさと納税や医療費控除も翌年の住民税に反映されます。今年のうちに使える控除を確かめておくと、来年6月に慌てずに済みます。

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免責事項・出典

本記事は、総務省・国税庁・各市区町村の公表資料をもとに、筆者が一般向けに整理したものです。計算例は年収・扶養などの条件を置いた一例で、実際の住民税額は、収入・家族構成・控除・お住まいの市区町村によって異なります。住民税決定通知書の様式や、毎月の金額の端数の扱いも市区町村によって異なる場合があります。個別の確認は、お住まいの市区町村の住民税の窓口・税務署・税理士にご相談ください。

  • 総務省「個人住民税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
  • 横浜市「令和6年度分の定額減税について」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/y-shizei/kojin-shiminzei-kenminzei/kojin-shiminzei-shosai/teigakugenzei.html
  • 東京都北区「令和6年度及び令和7年度定額減税(住民税)」 https://www.city.kita.lg.jp/living/tax/1001899/1001942.html
  • 国分寺市「特別徴収」 https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/kurashi/zeikin/juminzei/1022247.html
  • 焼津市「特別徴収について」 https://www.city.yaizu.lg.jp/life/tax/municipal-tax/nofu/tokucho/index.html
  • 世田谷区「令和8年度から適用される主な税制改正」 https://www.city.setagaya.lg.jp/02051/27307.html
  • 葛飾区「住民税の扶養控除」 https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000047/1001463/1026916/1001484/1001509.html
  • 大田区「森林環境税」 https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/zeikin/kazei/R6theforestinvironmenttaxetc.html
  • 国税庁 タックスアンサーNo.1410「給与所得控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

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この記事を書いた人

40代の会社員(営業職20年・店長/本部企画教育を経験)。新NISAでのインデックス投資歴は5年で、SBI証券・楽天証券を運用中。妻と子ども2人・愛犬1匹の5人家族です。結婚と子育てをきっかけに、お金と向き合い始めました。同じ40代の会社員に向けて、金融庁・国税庁など一次情報を確認しながら、制度の仕組みと自分の実体験を等身大で発信しています。特定商品や個別プランの推奨は行いません。

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