ふるさと納税の限度額は子ども2人で下がる?下がるのは16歳から|住民税の2割で自分の上限を出す方法

ふるさと納税の限度額は子ども2人で下がる?下がるのは16歳から

※当サイトはアフィリエイト広告を含みます。数字は総務省・国税庁の公表資料をもとにしています。特定のポータルサイトや金融商品をすすめるものではありません。

12月が近づくと、今年もふるさと納税をしなきゃと思いつつ、「子どもが2人いると限度額が下がるらしい」と聞いて、いくらまで寄付していいのか分からない。シミュレーターに入れるたびに数字が変わるし、超えたら損をしそうで、少なめに寄付して終わっている方も多いと思います。

12月の夜、リビングでスマホと書類を見ながら話す夫婦と、奥でボードゲームをする小学生の子ども2人の水彩イラスト

でも実は、子どもがいるだけでは限度額は下がりません。下がる原因の扶養控除は、子どもが16歳以上になってから付くからです(国税庁)。中学生以下の子どもしかいない家庭なら、子どもの人数で限度額は変わりません。総務省の目安表の「夫婦+子2人」は、高校生と大学生の子がいる家庭の数字です。

この記事では、①限度額が決まる仕組み ②総務省の目安表の読み方 ③子どもの年齢で何が変わるか ④住民税決定通知書から自分の限度額を出す方法 ⑤ワンストップ特例か確定申告か ⑥12月に寄付するときの注意を、図で説明します。

この記事の結論
① 限度額は住民税の所得割額の2割で決まる
② 子どもで限度額が下がるのは16歳以上(高校生・大学生)になってから
③ 総務省の目安の「夫婦」は配偶者が扶養に入っている家庭。共働きは「独身」の列に近い
④ 寄付先が5自治体までで確定申告をしないなら、ワンストップ特例が使える
目次

限度額は「住民税の2割」で決まる

ふるさと納税は、寄付した額から2,000円を引いた分が、所得税と住民税から差し引かれる(控除される)仕組みです。控除は3つに分かれます(総務省)。

3万円寄付したときの控除の内訳(総務省の例:年収750万円・夫婦子なし・所得税率20%):自己負担2,000円、所得税から5,600円、住民税の基本分2,800円、特例分19,600円。特例分の上限は住民税の所得割額の2割まで
  • 所得税からの控除|(寄付額−2,000円)×所得税の税率
  • 住民税からの控除(基本分)|(寄付額−2,000円)×10%
  • 住民税からの控除(特例分)|(寄付額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率)

総務省の例では、年収750万円で夫婦・子どもなし(所得税率20%)の人が3万円を寄付すると、2万8,000円が、所得税5,600円+住民税の基本分2,800円+特例分1万9,600円に分かれて控除されます。

このうち特例分には上限があり、住民税のうち収入に応じてかかる部分(所得割額)の2割を超えると、超えた分は控除されないしくみです。ここを超えると、自己負担が2,000円より多くなります。これが「限度額」の正体です。

ママ
ママ

限度額って、ポータルサイトが決めている数字じゃなかったのね。

パパFP
パパFP

そう。住民税の金額から決まるんだ。だから住民税が安くなる条件があると、限度額も下がるんだよ。

総務省の目安:子2人でどれだけ変わる?

総務省は、2,000円を除いて全額が控除される寄付額の目安を示しています。

総務省の目安:全額控除される寄付額は、給与収入500万円で独身6.1万円・夫婦+子1人4.0万円・夫婦+子2人2.8万円、750万円で11.8万・8.7万・7.6万円、1,000万円で18.0万・15.7万・14.4万円
  • 給与収入500万円|独身6.1万円/夫婦+子1人4.0万円/夫婦+子2人2.8万円
  • 給与収入750万円|独身11.8万円/夫婦+子1人8.7万円/夫婦+子2人7.6万円
  • 給与収入1,000万円|独身18.0万円/夫婦+子1人15.7万円/夫婦+子2人14.4万円

給与収入500万円では、独身と「夫婦+子2人」で3.3万円違います。ただし、この表を読むときは2つの前提に気をつけます。

1つ目は、ここでの「夫婦」は配偶者が扶養に入っている(配偶者控除がある)家庭だということです。共働きで配偶者控除がない家庭は、子どもがいなければ「独身」の列に近くなります。2つ目は、ここでの「子」が高校生や大学生だということです。次の見出しで説明するとおり、中学生以下の子どもは限度額に影響しません。

たとえば給与収入500万円で、共働き・小学生の子が2人の家庭なら、見る列は「夫婦+子2人」(2.8万円)ではなく「独身」(6.1万円)に近くなります。同じ年収でも、見る列を間違えると2倍以上の差になります。

この表は目安で、社会保険料や住宅ローン控除、iDeCo、医療費控除があると変わります。自分の数字は、このあと説明する方法で確かめます。

下がるのは子どもが16歳になってから

子どもで限度額が下がるのは、扶養控除(家族を養っている人の税金を軽くする仕組み)で住民税が安くなるからです。ところが扶養控除の対象になるのは、その年の12月31日時点で16歳以上の子どもだけです(国税庁)。

子どもの年齢と扶養控除(国税庁):15歳以下は扶養控除なしで限度額は下がらない、16〜18歳は38万円、19〜22歳は63万円
  • 15歳以下(中学生まで)|扶養控除なし。限度額は子どもがいない場合と同じ
  • 16〜18歳(高校生のころ)|所得税の扶養控除38万円
  • 19〜22歳(大学生のころ)|所得税の扶養控除63万円(特定扶養親族)

住民税にも同じように扶養控除があり、子どもが高校生・大学生になると住民税が安くなって、その分だけ限度額が下がります。つまり「子ども2人で限度額が下がる」のは、子どもが高校生・大学生になってからの話です。小学生2人の家庭が、総務省の「夫婦+子2人」の列を見て寄付を控えていたら、使える枠を残していることになります。

架空の例:今、小学6年と小学3年の子がいる共働きの家庭なら、上の子が16歳になる年(4年後)から、子どもを扶養に入れている親の限度額が下がり始めます。さらに上の子が19歳になる年からは特定扶養親族になり、もう一段下がります。限度額は毎年同じではなく、子どもの年齢に合わせて毎年確かめるものです。

ママ
ママ

うちはまだ小学生だから、子どもの人数は関係ないのね。

パパFP
パパFP

そう。見るのは子どもの人数じゃなくて年齢だよ。上の子が高校生になる年から、限度額が下がり始めるんだ。

自分の限度額を出す方法

一番正確なのは、住民税決定通知書(毎年6月ごろ会社から配られる紙)の「所得割額」から計算する方法です。特例分の上限が所得割額の2割なので、そこから逆算できます。

住民税決定通知書から限度額を出す(架空の例:所得割額30万円・所得税率10%):特例分の上限6万円、6万円÷0.7979+2,000円で約7.7万円、迷ったら8割の約6.2万円

架空の例:住民税決定通知書の所得割額が30万円、所得税率が10%(復興特別所得税を含めると10.21%)の人の場合。特例分の上限は30万円×20%=6万円です。特例分は寄付額から2,000円を引いた額の(90%−10.21%)なので、6万円÷0.7979+2,000円=約7.7万円が限度額の目安になります。

所得税の税率は、課税される所得金額で決まります。195万円未満は5%、195万円以上330万円未満は10%、330万円以上695万円未満は20%、695万円以上900万円未満は23%です(国税庁・1,000円未満は切り捨て)。源泉徴収票の金額から自分の段を確かめてください。

ただし、住民税決定通知書は前の年の収入で計算されています。今年の収入や控除が去年と大きく違う人は、源泉徴収票の見込みを使ってポータルサイトや自治体のシミュレーターでも確かめます。住宅ローン控除、iDeCoの掛金、医療費控除がある人は、それも入力します(iDeCoで所得が減ると、限度額も下がります)。

計算した額ちょうどまで寄付すると、少しのずれで2,000円を超える負担が出ることがあります。迷ったら計算した限度額の8割ほどにしておくと安心です。架空の例なら約6.2万円です。

iDeCoと合わせて考えたい人はiDeCoとNISAどっちが先?を、2026年12月からのiDeCoの上限の変更はiDeCo月6.2万円の改正をご覧ください。

ワンストップ特例か確定申告か

寄付した後は、控除を受ける手続きが必要です。方法は2つで、次の2つの質問で決まります(総務省)。

申告方法は2つの質問で決まる:今年確定申告をするなら確定申告に入れる、しないで寄付先が5自治体までならワンストップ特例、6つ以上なら確定申告
  1. 今年、確定申告をしますか|医療費控除や住宅ローン控除の1年目、副業の収入などで確定申告をするなら、ふるさと納税も確定申告に入れます
  2. 寄付先の自治体は5つまでですか|確定申告をしない会社員などで、寄付先が5自治体以内なら「ワンストップ特例」が使えます

ワンストップ特例は、寄付先の自治体ごとに申請書を出すと、確定申告をしなくても翌年度の住民税からまとめて控除される仕組みです。所得税からの控除はなく、その分も住民税から引かれます。申請後に引っ越しなどで内容が変わったら、翌年1月10日までに変更の届出を出します。マイナンバーカードでオンライン申請できる自治体もあります。

注意したいのは、ワンストップ特例を申請していても、あとで確定申告をすると、ふるさと納税も確定申告に入れる必要があることです。医療費が多かった年などは、確定申告の書類に寄付の分も書き忘れないようにします。控除されたかどうかは、翌年の住民税決定通知書で確かめられます(ふるさと納税したのに住民税が安くなってない?)。

12月に寄付するときの注意

  • 12月31日までに決済を終える|その年の控除になるのは、年内に寄付(決済)が終わった分です。返礼品が届くのが翌年でも、決済の日で判断します
  • ポイントは付かない|2025年10月から、ポイントを付けるポータルサイトを通じた寄付の募集は禁止されています(総務省)。サイトは返礼品の探しやすさや決済方法で選びます
  • 寄付の証明書をとっておく|確定申告をするときは、寄付先の自治体が出す寄付の証明書(受領書)が必要です(総務省)。届いたら1つの封筒にまとめておきます
  • 返礼品は家で使う量を考える|返礼品は寄付額の3割以下と決まっています。冷凍品が年末に重なると入りきらないので、届く時期と量を確かめます

「たくさん寄付するほど得」というわけではありません。ふるさと納税は、2,000円の負担で返礼品を受け取り、住民税の一部を応援したい自治体に回す仕組みです。限度額を超えた分は、そのまま自己負担になります。

冬のキッチンで、お米とみかんの入った箱を開けながら冷凍庫の空きを確かめる母親の水彩イラスト

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なお、総務省によると、ふるさと納税の受入額は年間1.2兆円を超えました。2027年の寄付からは、とても所得の高い人(給与収入1億円相当)の特例分に上限ができますが、多くの会社員の限度額には関係しません。

パパFP
パパFP

12月は決済の日だけ気をつければ大丈夫。冷蔵庫の空きも、先に見ておこうね。

まとめ|今日やる3つのこと

  1. 子どもの年齢を数える|今年の12月31日時点で、16歳以上の子がいるか、19〜22歳の子がいるかを確かめます
  2. 住民税決定通知書の所得割額を見る|所得割額×20%から限度額の目安を出し、シミュレーターでも確かめます
  3. 寄付先の数と申告方法を決める|確定申告をしないなら5自治体まで。12月31日までに決済を終えます

「子どもがいると限度額が下がる」と聞いて、少なめに寄付して終わっていませんか。
でも、限度額を決めているのは子どもの人数ではなく、年齢と住民税の金額です。住民税決定通知書を1枚出して、所得割額を見るだけで、うちの家の数字が分かります。
この記事を閉じたら、6月に配られた住民税決定通知書を探してみてください。「所得割額」の欄に、限度額を出すための数字が書いてあります。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。

よくある質問

Q. 限度額を少し超えたらどうなる?

A. 超えた分は控除されず、自己負担が2,000円より増えます。超えた分だけ損になるので、迷ったら計算した限度額の8割ほどにしておくと安心です。

Q. 共働きの場合、どちらが寄付する?

A. 寄付した人の住民税から控除されるので、夫婦それぞれに限度額があります。子どもを扶養に入れている人は扶養控除の分だけ限度額が下がるので、それぞれの住民税決定通知書で確かめます。

Q. 育児休業中でもできる?

A. できますが、育児休業給付金は税金がかからない収入なので、その年は住民税のもとになる所得が小さくなり、限度額も下がります。翌年の住民税で控除されることも踏まえて、シミュレーターで確かめてください。

Q. 何回かに分けて寄付してもいい?

A. いいです。限度額はその年(1月1日〜12月31日)に寄付した合計で考えます。ワンストップ特例で数えるのは寄付先の自治体の数なので、同じ自治体に何回か寄付する場合も、寄付のたびに申請書を出すかは自治体の案内で確かめます。夏と冬に分けると、返礼品が一度に届かずに済みます。

Q. 控除されたかはどこで分かる?

A. 翌年6月ごろの住民税決定通知書の「寄附金税額控除」などの欄で確かめます。見方はふるさと納税したのに住民税が安くなってない?で説明しています。

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免責事項・出典

本記事は、総務省・国税庁の公表資料をもとに、筆者が一般向けに整理したものです。総務省の目安は資料作成時点の税制による概算で、社会保険料や住宅ローン控除・iDeCo・医療費控除などの有無、配偶者や子どもの状況で限度額は変わります。記事内の計算は条件を置いた架空の例です。正確な控除額は、お住まいの市区町村や税務署にご確認ください。特定のポータルサイトや金融商品をすすめるものではありません。

  • 総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html
  • 総務省「ふるさと納税制度とは」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000816463.pdf
  • 総務省「制度改正について(2015年4月1日)」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20150401.html
  • 総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)令和8年3月24日」 https://www.soumu.go.jp/main_content/001070694.pdf
  • 国税庁 タックスアンサーNo.1180「扶養控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

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この記事を書いた人

40代の会社員(営業職20年・店長/本部企画教育を経験)。新NISAでのインデックス投資歴は5年で、SBI証券・楽天証券を運用中。妻と子ども2人・愛犬1匹の5人家族です。結婚と子育てをきっかけに、お金と向き合い始めました。同じ40代の会社員に向けて、金融庁・国税庁など一次情報を確認しながら、制度の仕組みと自分の実体験を等身大で発信しています。特定商品や個別プランの推奨は行いません。

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