最低賃金2026はいくら・いつから?47都道府県の一覧と、パートは「週20時間」で決まる理由

最低賃金2026はいくら・いつから?壁掛けカレンダーを指さして勤務時間を数える40代夫婦のイラスト

※当サイトはアフィリエイト広告を含みます(本記事には広告リンクはありません)。金額と日付は厚生労働省の公表資料をもとにしています。

「最低賃金が上がる」というニュースを見て、パートの時給はいつから上がるのか、扶養の範囲で働けなくなるのではないかと、気になっている方も多いと思います。

秋の朝、自転車を押してパートの仕事に向かう女性

2026年度の最低賃金は、全国平均で時給1,177円(56円の引き上げ)に決まりました。ただ、本当に気にしたいのは金額そのものより、働き方の線が「年収」から「週20時間」に変わっていくことです。時給が上がった結果、いわゆる「106万円の壁」は意味を失い、厚生労働省は2026年10月にその条件をなくすと案内しています。

この記事では、①今年はいくら上がったか ②自分の県はいつからか(47都道府県の一覧)③106万円の壁がなくなる理由 ④これからの線「週20時間」⑤どう働くかの選び方を、図と表で説明します。

この記事の結論
① 2026年度の最低賃金は全国平均1,177円。上がるのは10月〜12月で、県によって日付が違う
② 時給が上がり、週20時間働けば月8.8万円を超える。だから「106万円の壁」はなくなる方向
③ これから確かめるのは年収ではなく、週の労働時間と勤め先の従業員数
目次

2026年度はいくら?全国平均は1,177円

2026年度(令和8年度)の最低賃金は、全国加重平均で1,121円から1,177円になりました。引き上げ額は56円、率にするとおよそ5%です。前の年度(66円)より上げ幅は小さくなりましたが、上がる流れは続いています。

最低賃金の全国加重平均の推移(1,055円→1,121円→1,177円)と目標1,500円

国は「遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する」としています(骨太方針2026)。1,500円まではあと323円。これからも毎年50円前後の引き上げが続くと考えて、家計や働き方を決めておくのが現実的です。

今年は、都市部より地方の引き上げ額が大きくなりました。国の目安は、都道府県を経済の状況に応じて3つのグループに分けて示され、東京・大阪などが+54円、それ以外が+56円でした。ただ、実際には多くの県が目安より高い金額で決めています。いちばん大きいのは佐賀県の+65円です。

ママ
ママ

うちのパートの時給も、10月から上がるのかしら。

パパFP
パパFP

県によって日付が違うんだ。10月に上がる県もあれば、12月まで上がらない県もある。まずは自分の県を表で見てみよう。

自分の県はいくら?いつから?

最低賃金は、7月に国が目安を出し、8月に都道府県ごとに金額を決め、10月以降に県ごとの日付から上がります。

最低賃金が決まって上がるまでの流れと、発効月ごとの都道府県の数

下の表で、自分の県の行を見てください。「いつから」の日付から、その県の最低賃金が新しい金額になります。

都道府県新しい最低賃金上がる額いつから
(2026年)
北海道1,131円+56円10/1
青森1,090円+61円10/29
岩手1,090円+59円12/1
宮城1,098円+60円10/1
秋田1,090円+59円10/14
山形1,092円+60円10/30
福島1,094円+61円10/16
茨城1,136円+62円10/18
栃木1,125円+57円10/1
群馬1,120円+57円10/3
埼玉1,196円+55円10/1
千葉1,195円+55円10/1
東京1,280円+54円10/1
神奈川1,279円+54円10/1
新潟1,108円+58円10/1
富山1,119円+57円10/1
石川1,113円+59円10/3
福井1,112円+59円10/4
山梨1,113円+61円11/1
長野1,117円+56円10/2
岐阜1,121円+56円10/1
静岡1,154円+57円10/15
愛知1,195円+55円10/1
三重1,143円+56円10/1
滋賀1,136円+56円10/3
京都1,180円+58円11/16
大阪1,231円+54円10/1
兵庫1,172円+56円10/1
奈良1,107円+56円10/4
和歌山1,101円+56円10/3
鳥取1,090円+60円10/3
島根1,092円+59円10/10
岡山1,104円+57円10/2
広島1,141円+56円10/11
山口1,101円+58円10/8
徳島1,103円+57円11/1
香川1,092円+56円10/1
愛媛1,093円+60円11/1
高知1,086円+63円10/29
福岡1,114円+57円10/4
佐賀1,095円+65円11/15
長崎1,087円+56円11/2
熊本1,092円+58円12/1
大分1,096円+61円11/1
宮崎1,085円+62円10/24
鹿児島1,090円+64円10/25
沖縄1,086円+63円12/2
全国平均1,177円+56円—

10月1日ちょうどに上がるのは15都道府県です。いちばん遅いのは沖縄の12月2日。引き上げ額が大きい県ほど、日付が遅い傾向があります。発効日は変わることもあるので、最終的にはお住まいの都道府県労働局の発表で確かめてください。

✅ 時給が上がらないと思ったら
10月になっても時給が変わらない場合は、まず自分の県の「いつから」を確認してください。11月や12月の県もあります。その日を過ぎても新しい最低賃金より低い場合は、勤め先か都道府県労働局に相談できます。

「106万円の壁」がなくなる理由は、時給1,016円

パートやアルバイトの人が、自分で社会保険(健康保険・厚生年金)に入る条件は、いま次の4つです。

  • 月の給料(残業代などを除く)が8.8万円以上
  • 週の労働時間が20時間以上
  • 勤め先の従業員が51人以上
  • 学生ではない

このうち「月8.8万円」を1年分にすると約106万円。これが「106万円の壁」と呼ばれてきたものの正体です。

では、週20時間働くと月の給料はいくらになるでしょうか。分かれ目は時給1,016円です。時給1,016円で週20時間働くと、月の給料は約88,053円で、8.8万円を超えます。

週20時間働いた場合の月収と月8.8万円の線(時給1,016円・宮崎・全国平均・東京)

2025年度の改定で、すべての都道府県の最低賃金が1,016円を超えました。つまり、週20時間働けば、どの県でも自動的に月8.8万円を超えるようになったのです。こうして「月8.8万円」という条件は意味がなくなり、厚生労働省は2026年10月にこの条件をなくす予定と案内しています。

撤廃のあとに世帯の手取りや年金がどう変わるかは、年収別に計算した106万円の壁の撤廃の記事で詳しく説明しています。

これからの線は「週20時間」

月8.8万円の条件がなくなると、社会保険に入るかどうかは金額ではなく時間で決まります。週20時間は、たとえば「1日4時間を週5日」です。午前中だけ働く形が、ちょうどこの線になります。

💡 「週20時間」はどう数える?
判定に使うのは、雇用契約書やシフトで決まっている「所定労働時間」です(日本年金機構)。残業で一時的に長く働いた時間は、基本的には含めません。ただし、実際の時間が続けて20時間を超えるような場合は、勤め先に確認してください。また、2か月以内の期間で雇われる人などは対象外です。

時給が上がるほど、同じ時間でも年収は増えます。全国平均の1,177円で週20時間働くと、年収は約122万円。「年収を106万円以内に抑える」という調整は、週20時間働く前提ではもうできません。

よく話題になる「130万円の壁」(配偶者の健康保険の扶養に入れる目安)も、従業員51人以上の会社では意味が薄れています。年収130万円に届くまで働くと、ほとんどの時給で週20時間を超え、その前に社会保険に入るからです。

ママ
ママ

いままで「年収がいくらか」ばかり気にしていたけれど、本当は週に何時間働いているかを見ないといけなかったのね。シフトの相談のとき、金額の話しかしていなかったわ。

パパFP
パパFP

そう。確かめるのは3つだけ。時給・週の時間・勤め先の従業員数。この3つが分かれば、うちがどの制度に当たるかは判断できるよ。

ただし、130万円の壁が意味を持つ場合もあります。従業員50人以下の会社で働く場合、週20時間未満で働く場合、学生のアルバイト(子どものバイトなど)の場合です。

勤め先の人数の条件も、2035年までに順になくなる

「うちは小さい会社だから関係ない」と思うかもしれません。でも、勤め先の従業員数の条件も、法律にもとづいて段階的に縮小される予定です。

社会保険の対象になる会社の従業員数の条件が2035年までに広がる予定の時刻表

2035年10月には、従業員数にかかわらず、週20時間以上働く人は社会保険の対象になる予定です。「いまは対象外」は「ずっと対象外」ではありません。

また2026年10月からは、これから新しく対象になる小さな会社などで働く、月収13万円未満のパートの人の保険料を3年間軽くする「保険料調整制度」も始まりました。勤め先が申し出て使う仕組みなので、気になる場合は勤め先に確認してください(日本年金機構)。また、社会保険に入ると、病気やけがで働けないときの傷病手当金が使え、将来の厚生年金も増えます。保険料は「取られるお金」ではなく「保障と年金を買うお金」と考えると、判断しやすくなります。

どう働く?3つの選び方(架空の例)

ここからは、架空の家庭の例で考えます。妻が時給1,150円・週22時間、従業員80人の会社でパートをしている場合です。いまの年収は約132万円で、週20時間を超えているので社会保険に入ります。

架空の例:時給1,150円で週19.5時間・22時間・30時間働いた場合の年収と社会保険
  • A:週19.5時間に減らす|社会保険に入らず、保険料はかかりません。ただし年収は約15万円下がり、厚生年金も増えません。来年また時給が上がれば、さらに時間を削ることになります。子どもの受験や親の介護など、時間そのものが必要な時期には合理的です
  • B:いまのまま週22時間|社会保険に入ります。保険料が引かれて手取りはいったん減りますが、傷病手当金などの保障と将来の年金が増えます
  • C:週30時間に増やす|社会保険に入るなら、時間を増やすほうが手取りは戻ります。年収は約179万円になり、保険料を払ってもAより手取りが多くなります
夜のリビングで、シフト表を見ながら働き方を話し合う夫婦

どれが正しいかは、家庭によって違います。大切なのは、毎年ギリギリで調整し続けるのではなく、「線を越えない働き方」と「越えて増やす働き方」のどちらにするかを、一度家族で決めておくことです。

夫の給料は上がる?物価との関係

「最低賃金が上がるなら、自分の給料も上がるのでは」と期待したくなります。最低賃金は時給の下限を決めるもので、月給の正社員の給料が下限を上回っていれば、直接上がるわけではありません。会社によっては全体の見直しにつながることもありますが、最低賃金が上がるから自分の給料も上がる、と見込んで家計を組むのはおすすめしません。

また、時給が上がっても、物の値段が同じくらい上がれば、買えるものの量は変わりません。増えた分の一部を貯金や積立に回して、物価の上昇に備えることも考えておきたいところです。

まとめ|今週確かめる3つのこと

  1. 自分の県の新しい金額と「いつから」|この記事の表、またはお住まいの都道府県労働局で確認
  2. 配偶者の週の労働時間|雇用契約書やシフト表で確認。20時間を超えているかが分かれ目
  3. 勤め先の従業員数|勤め先に「社会保険の適用拡大の対象事業所ですか」と聞くのが確実

妻の時給が上がったと聞いたとき、私は喜ぶ前に「扶養、大丈夫なの」と口にしてしまいました。
でも最低賃金は毎年上がり、制度も数年ごとに変わります。越えないように縮み続けるより、どう働きたいかを家族で決めるほうが、毎年の調整に追われずに済みます。
次にシフトの話をするとき、「何時間まで働ける?」ではなく「これからどう働きたい?」と聞いてみてください。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。

よくある質問

Q. 最低賃金が上がったのに、時給が変わりません

A. まず自分の県の「いつから」を確認してください。11月や12月の県もあります。その日を過ぎても新しい最低賃金を下回っている場合は、勤め先か都道府県労働局に相談できます。

Q. 106万円の壁は、もうなくなったの?

A. 厚生労働省は、月8.8万円の条件を2026年10月に撤廃する予定と案内しています。撤廃後は、週20時間以上・従業員51人以上の会社などの条件で、社会保険に入るかが決まります。

Q. 子どものアルバイトにも関係ある?

A. 学生は社会保険の加入の対象外です。ただし税金や扶養の線は別にあるので、年収の目安は年末調整2026年の変更点で確認してください。

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免責事項・出典

本記事は、厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」、内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」、日本年金機構「保険料調整制度」の案内をもとに、筆者が一般向けに整理したものです。発効日は変更となる可能性があります。社会保険の加入の判定は、所定労働時間・所定内賃金・勤め先の被保険者数・契約内容などにより異なります。本記事の計算は所定内賃金のみを用いた概算で、残業代・通勤手当・賞与は含めていません。個別の判断は、勤め先、年金事務所、健康保険組合、都道府県労働局、社会保険労務士などにご確認ください。

  • 厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(令和8年度 地域別最低賃金 答申状況)
  • 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html
  • 厚生労働省「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001633788.pdf
  • 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html
  • 日本年金機構「保険料調整制度」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hokenryochosei/gaiyo.html
  • 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2026/2026_basicpolicies_ja.pdf

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この記事を書いた人

40代の会社員(営業職20年・店長/本部企画教育を経験)。新NISAでのインデックス投資歴は5年で、SBI証券・楽天証券を運用中。妻と子ども2人・愛犬1匹の5人家族です。結婚と子育てをきっかけに、お金と向き合い始めました。同じ40代の会社員に向けて、金融庁・国税庁など一次情報を確認しながら、制度の仕組みと自分の実体験を等身大で発信しています。特定商品や個別プランの推奨は行いません。

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