相続税はいくらから?【結論3,600万円】実家と預金でわが家を判定|40代が今やる7年贈与対策

相続税はいくらから?結論は3,600万円から(papa-fp)

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結論:相続税がかかるのは、遺産の総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えたときです。法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円。ここを1円でも超えなければ、相続税はかかりませんし、申告も原則いりません。

とはいえ「うちの実家、土地と建物と預金を足したらいくらになるんだろう」「きょうだいで分けるとき、税金でモメたりしないだろうか」——40代になって親が70代・80代にさしかかると、こうした不安が急に現実味を帯びてきます。この記事では、親の家と預金でわが家に相続税がかかるかを自分で判定する方法を、計算式・早見表・具体例で整理します。

この記事は「親(70〜80代)が持ち家や預貯金を持つ40代の会社員とその家族」向け。相続税がいくらから・どう計算するか、実家があってもかからないことが多い理由、そして40代の今からできる生前贈与の対策まで、この1本で全体像が分かる実務ガイドです。
ママ

ママ

この前、実家に帰ったときに「うちも相続税、かかるのかしら」って話になって。持ち家があるだけで、すごい税金を取られるイメージがあるのよね。

パパ

パパ

実はそこ、誤解している人がとても多いんだ。相続税には大きな「基礎控除」があって、そこを超えなければ1円もかからない。まずは自分の家がそのラインを超えるのかどうか。それだけ先に見てしまおう。

目次

相続税はいくらから?結論は「3,600万円」から

相続税は、亡くなった人(被相続人)が遺した財産の合計額が基礎控除額を超えた部分にだけかかります。基礎控除額の計算式は、全国どこでも同じです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円というように、相続人が1人増えるごとに600万円ずつラインが上がっていきます。遺産の総額がこのラインを超えなければ、相続税はかからず、税務署への申告も原則不要です。逆に1円でも超えると、超えた部分に税金がかかり、申告も必要になります。

基礎控除とは?「ここまでは非課税」という土台のライン

基礎控除とは、「遺産がこの金額までなら相続税をかけません」という非課税の枠のことです。所得税に給与所得控除があるのと同じで、誰にでも認められる最初の控除です。2015年に金額が引き下げられて以降、この「3,000万円+600万円×人数」という計算式は2026年現在も変わっていません

実はこの基礎控除、2015年より前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」と、今よりずっと大きな枠でした。相続人2人なら7,000万円までが非課税だったのです。それが2015年に現在の水準へ引き下げられ、課税される人の割合は改正前の約4%から、その後およそ倍近くにまで増えました。「昔、親が調べたときはうちに相続税なんて関係なかった」——その記憶が、今はもう当てはまらない可能性がある、というのはこうした背景があります。

法定相続人とは?数え方で控除額が変わる

法定相続人とは、民法で決められた「遺産を相続する権利がある人」です。配偶者は必ず相続人になり、それ以外は次の順位で決まります。

  • 第1順位:子ども(亡くなっていれば孫)
  • 第2順位:父母(子がいない場合)
  • 第3順位:兄弟姉妹(子も父母もいない場合)

たとえば「父が亡くなり、母と子ども2人が残った」なら法定相続人は3人で、基礎控除は4,800万円。「母が既に他界していて、子ども2人だけ」なら相続人は2人で4,200万円になります。相続人の数え方を間違えると、判定そのものがずれるので、まずは自分の家の人数を正確に数えることが出発点です。

ママ

ママ

じゃあ、うちの実家みたいに子どもが2人なら、4,200万円までは税金がかからないってこと?思っていたより、ずいぶん大きい枠なのね。

相続税の早見表|法定相続人の数別・課税ライン

まず「わが家はいくらから課税されるのか」を、法定相続人の数ごとに一覧にしました。遺産の総額(後述の生命保険の非課税枠などを引いたあとの正味の金額)がこのラインを超えなければ、相続税はかかりません。

法定相続人の数 基礎控除額(=課税ライン)
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円
5人 6,000万円

「実家の土地・建物・預貯金・株を全部足しても、このラインに届かない」——多くのご家庭は、まずここで「うちはかからない」と分かります。実際、相続税がかかるのは亡くなった方の約1割です(後述)。ただし近年は地価や株価の上昇でこの割合が上がってきているので、「昔は関係なかった家」も一度は確かめておく価値があります。

何を合計する?相続財産に「入るもの・引けるもの」

判定の第一歩は「遺産の総額」を正しく出すことです。ここでいう財産は預金や不動産だけではありません。逆に、差し引けるものもあります。まずは実家の分を、次のリストで棚卸ししてみてください。

【相続財産に入るもの】

  • 不動産:土地・建物(実家、田畑、駐車場など)
  • 預貯金:普通・定期のほか、いわゆるタンス預金(手元現金)も対象
  • 有価証券:株式・投資信託・国債など
  • 生命保険金・死亡退職金:受取人のものですが「みなし相続財産」として課税対象(それぞれ500万円×法定相続人の数の非課税枠あり)
  • その他:自動車・貴金属・骨董・ゴルフ会員権など換金価値のあるもの

【遺産から引けるもの(債務控除)】

  • 借入金・未払いの税金や医療費など、亡くなった時点で残っていた債務
  • 葬式費用(通夜・告別式の費用など。香典返しや初七日は対象外)

「土地+建物+預貯金+有価証券+保険金の非課税枠超過分 −(借入金+葬式費用)」——これが基礎控除と比べる正味の遺産額です。特に見落としやすいのが、親の口座から子名義に移しただけで実質は親のお金という「名義預金」。これは子の財産ではなく親の相続財産とみなされます。

実家+預金でわが家を判定してみる

言葉だけではイメージしにくいので、よくある2つのケースで実際に計算してみます。金額はすべて例です。

ケース1:かからない家(相続人=子2人)

母が既に他界し、父が亡くなって子ども2人が相続する二次相続のケースです。

  • 実家(土地・建物)の評価額:2,400万円
  • 預貯金:1,600万円
  • 遺産の総額:4,000万円

法定相続人は子2人なので基礎控除は4,200万円。4,000万円 < 4,200万円で、課税ラインを下回るため相続税はかからず、申告も不要です。持ち家があっても、このように基礎控除の中に収まる家庭は珍しくありません。

ケース2:かかる家(相続人=子2人・遺産5,400万円)

  • 実家の評価額:3,000万円
  • 預貯金:2,000万円
  • 株式:400万円
  • 遺産の総額:5,400万円

相続税の総額は「①正味の遺産から基礎控除を引く → ②残りを法定相続分で分けたと仮定して各人の税額を速算表で出す → ③それを合計する」という手順で計算します。このケースでは、基礎控除4,200万円を引くと課税対象の遺産は1,200万円。これを法定相続分(子2人なので各2分の1=各600万円)で分け、速算表を当てはめます。600万円は「1,000万円以下」なので税率10%。1人あたり60万円、2人で相続税の総額は120万円です。遺産5,400万円に対して税額120万円ですから、「財産の半分を取られる」といったイメージとは、実際はかなり違います。

相続税の速算表(国税庁)

課税対象の遺産を法定相続分で分けたあと、各人の取得金額に応じて次の税率をかけます。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

※税率は国税庁「No.4155 相続税の税率」に基づきます(2025年4月時点)。

実家があっても課税されにくい2つの仕組み

「持ち家があるから、うちは絶対かかる」と思い込む前に、知っておきたい仕組みが2つあります。どちらも、相続税を大きく下げる強い味方です。

生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)

亡くなった方が受取人を指定していた生命保険金には、「500万円 × 法定相続人の数」までの非課税枠があります。相続人が2人なら1,000万円、3人なら1,500万円分の保険金が課税対象から外れます。預金で持つより保険で残したほうが、この枠のぶんだけ有利になるケースがあるということです。

小規模宅地等の特例(自宅の土地が最大8割減)

親と同居していた子などが実家の土地を相続する場合、一定の要件を満たせば自宅の土地の評価額を330㎡まで80%減額できる特例があります。3,000万円の土地が600万円として評価されるほど効果が大きく、「実家があっても基礎控除に収まる」大きな理由の一つです。

ただしこの特例は要件が細かく、適用するには相続税の申告が必要(申告して初めて使える)です。同居していたか、持ち家のない別居の子か、などで結論が変わります。「うちは使えそうか」は、早い段階で税理士に確認しておくのが安全です。

パパ

パパ

「特例を使えばゼロ」でも、特例を使うには申告が必要という点が落とし穴なんだ。「かからないと思って何もしなかったら、実は申告が要る家だった」——これがいちばん多いつまずき方だよ。

配偶者の税額軽減で「かからない」ケースが多い理由

親のどちらかが亡くなったとき(一次相続)に相続税がほとんどかからないのは、配偶者の税額軽減という強力な制度があるからです。

配偶者の税額軽減とは?

配偶者が実際に取得した遺産が1億6,000万円まで、またはそれを超えても法定相続分までであれば、配偶者にかかる相続税はゼロになります。長年連れ添った配偶者の生活を守るための配慮です。

たとえば父が亡くなり、遺産1億円を母と子2人で相続する場合。母が法定相続分(2分の1=5,000万円)を取得すれば、1億6,000万円の枠内なので母の相続税はゼロ。仮に母が1億円すべてを相続しても、法定相続分を超えていても1億6,000万円以下なので、やはりゼロです。多くの一次相続で「思ったより税金がかからなかった」となるのは、この制度が効いているためです。

ただし注意したいのが「二次相続」です。一次相続で配偶者が多く相続すると目先の税金はゼロにできますが、その配偶者が次に亡くなったとき(二次相続)には、配偶者の税額軽減が使えず、相続人も1人減るため、かえって全体の税負担が重くなることがあります。「一次相続だけを見て節税した気になる」のは危険で、二次相続まで見通した分け方が大切です。

生前贈与の「7年持ち戻し」(2024年改正)と40代が今やる対策

ここからは、40代の私たちが「親が元気な今のうちに」動けるテーマです。相続税を減らす王道は生前贈与ですが、2024年の改正でルールが大きく変わりました。知らずに進めると、せっかくの贈与が相続税の計算に戻されてしまいます。

生前贈与加算とは?亡くなる前の贈与は相続財産に戻される

生前贈与加算とは、亡くなる前の一定期間に相続人へ贈与された財産を、相続財産に足し戻して相続税を計算する仕組みです。「亡くなる直前に慌てて贈与して税金逃れ」を防ぐためのルールで、この足し戻しの期間が改正で延びました。

3年から7年へ|いつの贈与から対象になるか

従来、足し戻しの対象は「相続開始前3年以内」の贈与でしたが、改正で「7年以内」へ段階的に延長されます。ポイントは次の3点です。

  • 2024年(令和6年)1月1日以後の贈与から新ルールの対象
  • 延長された4年分(3年超7年以内)の贈与は、合計から100万円までは足し戻しません
  • 完全に「7年以内」が対象になるのは2031年(令和13年)1月1日以後の相続から。それまでは経過措置で段階的に延びます

つまり「贈与してから年数が経つほど、相続財産に戻されにくくなる」という設計です。暦年贈与(毎年110万円までの非課税贈与)を考えるなら、始めるのが早いほど有利になりました。親が元気で判断力もしっかりしている40代の今こそ、家族で話を始める意味があります。

暦年贈与と相続時精算課税|2024年でどう変わったか

生前贈与には、大きく2つの方法があります。2024年の改正で、両方のルールが同時に変わりました。

暦年課税 相続時精算課税
非課税の枠 毎年110万円まで 110万円まで(2024年新設)+累計2,500万円の特別控除
相続時の持ち戻し 亡くなる前7年以内は加算(改正) 年110万円の枠内は加算されない
向いている人 時間をかけてコツコツ渡したい まとまった額を早めに渡したい

注目は、2024年から相続時精算課税に新設された年110万円の基礎控除です。この枠内の贈与は贈与税の申告が不要で、しかも相続財産に持ち戻されません。暦年贈与の110万円が「7年以内は戻される」のに対し、精算課税の110万円は戻されない——ここが大きな違いです。

ただし相続時精算課税は一度選ぶと暦年課税には戻せず、最初に届出が必要など注意点もあります。どちらが有利かは、親の年齢・財産の額・渡したいタイミングで変わります。「わが家はどちらか」は、税理士に一度シミュレーションしてもらうのが確実です。

ママ

ママ

「7年」って聞くと遠い先の話みたいだけど、逆にいうと早く始めた贈与ほど守られるってことなのね。「まだ元気だから」と後回しにしていたけれど、元気なうちだからこそ、なのね。

なぜ今、相続税を意識する家庭が増えているのか(資産価格の上昇)

相続税がかかった人の割合は、長く「亡くなった方の8〜9%台」で推移していましたが、2024年(令和6年)分でついに10.4%(前年の令和5年分は9.9%)と初めて1割を超えました。背景にあるのが、地価や株価の上昇です。物価と同じで資産の値段も上がっていくため、数年前は基礎控除に収まっていた家が、評価額の上昇でラインを超えてくることが起きています。「昔、親が調べたときは関係なかった」は、今の評価額では通用しないかもしれない、ということです。

きょうだい相続の心理|お金より「不公平感」で揉める

相続の相談で私が最も多く見てきたのは、税額そのものよりきょうだい間の感情のもつれです。相続税がかからない家庭でも、遺産分割では深刻に揉めます。金額の問題ではなく、心理の問題だからです。

  • 介護の負担感:親の面倒を見たきょうだいの「私はこんなにやったのに」という思い
  • 実家という分けにくい資産:現金と違い、家は物理的に半分にできない。売るか、住むか、代償金を払うかで対立する
  • 「親に切り出せない」空気:生前に相続の話をすると「早く死ねと言うのか」と受け取られる恐れから、誰も口火を切れない

これらは、親が元気なうちに「税金の話」を入口にすると切り出しやすいものです。「相続でモメたくないから」ではなく「相続税がかかるか一度調べておこう」なら、家族会議のきっかけとして角が立ちません。制度の確認という中立な入口が、感情の対立を避ける緩衝材になります。

パパ

パパ

「お父さんが亡くなったら…」は切り出しにくいけど、「相続税がかかるか、いちど計算してみない?」なら言える。お金の話を、家族の思いやりの話に変える入口になるんだ。

FP実例|切り出せなかった3つの家族

ここでは、私がお金の相談を通じて出会った(内容は個人が特定されないよう再構成しています)3つのケースを紹介します。

Aさん(45歳)|「うちは関係ない」が覆った家

父の持ち家(都市部)と預金で、10年前に親が調べたときは基礎控除内。ところが地価上昇で土地評価が上がり、いざ相続の段になると総額が基礎控除を超えていました。慌てて小規模宅地等の特例を使い課税は避けられましたが、特例適用のための申告に追われて余裕がなかったと振り返ります。「元気なうちに一度、今の評価額で計算しておけばよかった」というのが教訓でした。

Bさん(48歳)|二次相続で負担が増えた家

一次相続のとき、配偶者の税額軽減を最大限使い、母が遺産の大半を相続。目先の相続税はゼロでした。しかし数年後の母の相続(二次相続)では軽減が使えず相続人も1人減り、結果として一次・二次を通した合計の税額は、当初分けておいたほうが軽かったと分かりました。目先のゼロにとらわれない大切さを痛感したケースです。

Cさん(42歳)|暦年贈与を早く始めていた家

親が60代のうちから、毎年110万円の範囲で計画的に暦年贈与を続けていた家庭。7年持ち戻しの改正後も、早く始めていた分の贈与は相続財産に戻されにくく、結果的に相続時の課税財産を無理なく圧縮できていました。「早さは最大の節税」を体現したケースです。

相続税がかかる場合の申告の流れと期限

判定の結果「かかりそう」または「特例を使うために申告が必要」となった場合の、大まかな流れです。

  • 期限は「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」。この間に申告と納税(原則現金一括)を済ませます
  • 財産の洗い出し(不動産・預貯金・保険・株など)と、借入金・葬式費用の整理
  • 遺産分割協議(誰が何を相続するか。特例の適用は分け方で変わる)
  • 評価・申告書の作成・納税

税額ゼロでも申告が必要なケースに注意

ここが最大の落とし穴です。「特例を使った結果、相続税がゼロになる」ときは、申告そのものは必要です。具体的には次のようなケースです。

  • 小規模宅地等の特例で自宅の評価が下がり、結果ゼロになった
  • 配偶者の税額軽減で配偶者の税額がゼロになった

これらは「申告して特例を適用する」ことで初めてゼロになる仕組みで、申告しなければ特例は使えません。「ゼロだから何もしなくていい」と放置すると、後から本来の税額に加算税がついてしまうことがあります。一方、そもそも遺産が基礎控除以下なら、申告も納税も不要です。「基礎控除以下=申告不要」「特例でゼロ=申告必要」——この線引きを覚えておいてください。

10ヶ月は、四十九日や各種手続きに追われるうちにあっという間に過ぎます。「かかるかどうか微妙」な家ほど、早めに一度、税理士の無料相談などで見立てを取っておくと安心です。

ママ

ママ

10ヶ月って長そうで、実際はバタバタなのね。まずは「うちはかかるのか」を今の評価額で確かめて、必要なら早めに相談する。それだけでも、ずいぶん気持ちが違うわ。

相続税でよくある3つの誤解

相談の現場で繰り返し出会う、代表的な思い込みを3つ整理します。

誤解1:タンス預金や名義預金なら分からない?

手元の現金(タンス預金)も、子や孫の名義でも実質は親のお金という「名義預金」も、すべて相続財産です。税務署は過去の預金の流れを長期間にわたって確認できます。「分からないだろう」で申告から外すと、後から加算税・延滞税がかかる重いリスクになります。正直に洗い出すのが、結局いちばん安く済みます。

誤解2:生命保険金は受取人のものだから相続税と無関係?

生命保険金は民法上は受取人の固有財産ですが、相続税では「みなし相続財産」として課税対象になります。ただし前述のとおり「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるため、預金で残すより保険で残したほうが有利になるケースがあります。保険は「保障」だけでなく「相続対策」の道具にもなる、という視点を持っておきましょう。

誤解3:借金があったら必ず損?相続放棄すべき?

借入金などの債務は遺産から差し引けます。問題は財産より債務のほうが多い(債務超過)ケースです。この場合は相続放棄という選択肢がありますが、期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」と短く、いったん財産に手をつけると放棄できなくなることもあります。プラスの財産とマイナスの財産、両方を早く把握することが判断の前提です。

パパ

パパ

相続は「知らなかった」がいちばん高くつく分野なんだ。放棄も申告も期限が決まっている。だからこそ、元気な今のうちに全体像だけでもつかんでおくことが、家族を守る準備になるんだよ。

まとめ|まずは「今の評価額」でわが家を判定する

相続税は、遺産の総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えたときにかかります。持ち家があっても、基礎控除・生命保険の非課税枠・小規模宅地等の特例・配偶者の税額軽減といった仕組みで、実際にかかるのは約1割の家庭です。一方で、資産価格の上昇でその割合は増えつつあり、生前贈与のルールも2024年に変わりました。大切なのは、親が元気な今のうちに「今の評価額」で一度わが家を判定しておくことです。

40代の私たちが、今日からできる3ステップはシンプルです。

  1. 実家の財産をざっくり棚卸し:土地・建物・預貯金・保険・株を足し、借入金・葬式費用を引く
  2. 基礎控除ラインと比べる:「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるか確認する
  3. 超えそう・微妙なら、専門家に一度相談:小規模宅地等の特例や生前贈与の選び方は、早いほど打てる手が多い

この3つを、親が元気で言葉を交わせる「今」やっておく。それだけで、いざというときの家族の負担と後悔は大きく変わります。

老後資金や親の介護と合わせて考えたい方は、親の介護・自分の老後・子の大学費の「3つの財布」で優先順位を決める方法も参考にしてください。物語で相続税のイメージをつかみたい方は、かぐや姫の遺産相続で学ぶ相続税と終活ガイドもどうぞ。


「お金の話は、親が生きているうちにしかできない」——そのことに、私は父を送ってから気づきました。

20代の頃の私は、ギャンブルで作った負債を抱え、実家の話など考える余裕もありませんでした。「相続」なんて、お金持ちの世界の言葉だと思っていたのです。けれど家計を立て直し、FPの勉強を通じて制度を知るほどに、相続とはお金の分配ではなく「親がどう生きて、何を残したかったか」を家族で受け取り直す時間なのだと分かってきました。

相続税がかかるかどうかを調べる作業は、実は「親と向き合うきっかけ」です。数字を確かめる過程で、実家の価値を知り、きょうだいと言葉を交わし、親の思いに触れる。税金の計算という中立な入口があるからこそ、切り出しにくい話にそっと手をかけられます。私は、それを「まだ元気だから」と先延ばしにして、間に合わなかった側の人間です。

この記事を閉じたら、まずは実家の土地・建物・預貯金をざっくり足して、基礎控除のラインと比べてみてください。そして次に実家へ帰ったとき、「相続税、かかるか調べてみたよ」と一言だけ切り出してみてください。その一言が、家族の安心と、あなた自身の後悔しない未来をつくります。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。


免責事項
本記事は2026年7月時点の公表情報(国税庁・財務省の公式情報等)に基づいて執筆しています。相続税の課税可否・税額は、財産の評価額・法定相続人の構成・各種特例の適用可否・個別の事情により大きく異なります。小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などは要件が細かく、適用には相続税の申告が必要な場合があります。早見表・計算例は機械的な概算であり、実際の税額を保証するものではありません。個別の判断は、税務署、税理士等の専門家に必ずご相談ください。


出典・参考資料

  • 国税庁「No.4152 相続税の計算」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
  • 国税庁「No.4155 相続税の税率」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm
  • 国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm
  • 国税庁「No.4161 贈与財産の加算と贈与税額の控除(生前贈与加算)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm
  • 国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm
  • 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
  • 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(課税割合) https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_shinkoku/index.htm

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この記事を書いた人

40代の会社員(営業職20年・店長/本部企画教育を経験)。FP技能士2級・日商簿記3級・損害保険大学課程 専門コースを取得。新NISAでのインデックス投資歴は5年で、SBI証券・楽天証券を運用中。妻と子ども2人・愛犬1匹の5人家族です。20代はパチンコとタバコでお金を浪費していましたが、結婚と子育てをきっかけにお金と向き合い直しました。同じ40代の会社員に向けて、金融庁・国税庁など一次情報を確認しながら、制度の仕組みと自分の実体験を等身大で発信しています。特定商品や個別プランの推奨は行いません。

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