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「子ども・子育て支援金の徴収が始まった」とニュースで聞いて給与明細を見たのに、どこにも「支援金」の行がない。本当に払っているのか、いくらなのか、気になっている方は多いと思います。

でも実は、多くの会社では、支援金は健康保険料と一緒にすでに給料から引かれています。2026年5月の給料からで、ボーナスからも引かれます。年収600万円なら、あなたの負担は月575円(2026年度)。そして、高校生までの子どもがいる家庭なら、支援金で拡充された児童手当で、払う額より受け取る額のほうがずっと大きいこともあります。
この記事では、こども家庭庁の資料をもとに、①支援金のしくみ ②年収別の金額(早見表)③ボーナスからいくら引かれるか ④2028年度までにどこまで上がるか ⑤何に使われるか ⑥自分の金額の確かめ方を、図で説明します。
① 支援金は健康保険料と一緒に引かれる。2026年4月分から(多くは5月の給料から)
② 2026年度の率は0.23%で、会社と半分ずつ。年収600万円なら本人は月575円
③ ボーナスからも引かれる。60万円なら690円
④ 2028年度は年収600万円で月1,000円の見込み(国の試算)
子ども・子育て支援金とは:健康保険料と一緒に引かれる
子ども・子育て支援金は、児童手当の拡充など、子育てを支える給付の財源にあてるお金です。2024年に法律が改正されてできた仕組みで、2026年4月分の保険料から集められています(こども家庭庁)。
背景には、政府が2023年12月に決めた「加速化プラン」があります。総額3.6兆円の子育て支援の拡充を行うことになり、支援金はその財源の一部です。会社員などの健康保険からは、2028年度に全体で約9,000億円を集める見込みとされています(こども家庭庁)。

集め方に特徴があります。新しい税金を作るのではなく、健康保険などの医療保険の保険料と一緒に集めるのです。会社員の場合、保険料を計算する基準になる給料(標準報酬月額)に0.23%をかけた額が支援金で、それを会社と本人が半分ずつ負担します。本人の負担は、標準報酬月額の0.115%です。
社会保険料は翌月の給料から引く会社が多いため、実際に天引きが始まったのは2026年5月の給料からというケースが多数です(こども家庭庁)。払うのは会社員だけではなく、国民健康保険や後期高齢者医療制度に入っている人も対象です。ただし、国民健康保険などの金額は、市区町村などが決めるため、住んでいる地域や所得によって変わります。この記事では、会社員の場合を中心に説明します。

ニュースで聞いて明細を見たけど、「支援金」なんてどこにも書いてないの。本当に払ってるの?

健康保険料の行にまとめて書かれている会社が多いんだ。だから見ただけでは分からない。でも、5月からちゃんと引かれているよ。
年収別の早見表(2026年度)
こども家庭庁が公表している、会社員(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合)の年収別の試算です。自分の年収に近い行を見てください。金額はあなたが負担する分で、同じ額を会社も負担しています。
| 年収 | 毎月の負担 | 1年の負担 (ボーナス込み) |
|---|---|---|
| 200万円 | 192円 | 約2,300円 |
| 400万円 | 384円 | 約4,600円 |
| 600万円 | 575円 | 約6,900円 |
| 800万円 | 767円 | 約9,200円 |
| 1,000万円 | 959円 | 約11,500円 |
この試算は、ボーナスを含めた1年の給料(年収)に0.23%をかけて12で割り、その半分を本人の分としたものです。実際の金額は、毎月の標準報酬月額とボーナスの額で計算されるので、少しずれることがあります。
なお、表の金額と同じ額を会社も負担しているので、支援金として集められている額は、この表の2倍です。年収600万円の人なら、会社の分と合わせて月1,150円になります。
支援金は、働いている人それぞれの給料にかかります。共働きの家庭は、夫婦それぞれの年収で表を見てください。扶養に入っている家族の分を別に払うことはありません。支援金は、働いている本人の給料をもとに計算されるからです。
ボーナスからも引かれる
支援金は、毎月の給料だけでなくボーナスからも引かれます。健康保険料や厚生年金保険料と同じ扱いです(こども家庭庁)。計算は、ボーナスの額(1,000円未満は切り捨て)に0.23%をかけ、その半分が本人の負担です。

たとえばボーナスが60万円なら、60万円×0.23%=1,380円で、本人の負担は690円です。1回の金額は小さいですが、年収の表の金額には、このボーナスの分も含まれています。
ボーナスの手取りが少なく感じる理由は、支援金以外にも、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税などの天引きがあるからです。全体の仕組みはボーナスの手取りが少ないのはなぜ?で説明しています。
2028年度までに上がる見込み
支援金は、2026年度から2028年度にかけて段階的に増える設計です。こども家庭庁は、2028年度の会社員の負担について、参考として次のような試算を出しています。

年収600万円の場合、2026年度の月575円から、2028年度には月1,000円ほどになる見込みです。1年にすると、約6,900円から約12,000円へ増える計算です。
ただし、この2028年度の金額は、2022年度の給料の水準をもとにした機械的な試算です。こども家庭庁は、「賃上げで給料全体が増えれば、この数字は下がっていく」と説明しています。率(2026年度は0.23%)は、毎年度あらためて決められます。
社会保険まわりでは、2026年8月から高額療養費の自己負担の上限も引き上げられています(高額療養費の記事)。1つずつは小さくても、毎年5月〜6月の明細を前の年と並べて見る習慣をつけておくと、こうした変化に気づけます。
何に使われる?6つの給付
集めた支援金の使い道は、子育てを支える給付に決められています。こども家庭庁のリーフレットでは、次の6つが挙げられています。

- 児童手当の拡充|所得による制限をなくし、支給期間を高校生年代まで延長。第3子以降は1人あたり月3万円(2024年10月分から)
- 妊婦のための支援給付|妊娠届出時に5万円、妊娠後期以降にこどもの数×5万円
- 出生後休業支援給付|両親ともに14日以上育休を取ると、最大28日間、手取りの10割相当
- 育児時短就業給付|2歳未満の子のために時短勤務をすると、時短中の賃金の原則10%
- こども誰でも通園制度|保育所などに通っていない0歳6か月〜3歳未満の子が、月10時間まで利用できる
- 国民年金の育児期間の保険料免除|自営業などの親が対象(2026年10月分から)
40代の会社員の家計にいちばん関係が深いのは、児童手当です。高校生年代の子は、以前は児童手当の対象外でしたが、今は1人月1万円が支給されます。高校の3年間で36万円です。
あわせて、児童手当の支給は4か月に1回から2か月に1回になりました。振込の回数が増えたぶん、1回の振込額は以前より小さく見えることがありますが、回数が増えたことで受け取る総額が減るわけではありません。

例:高校1年と中学2年の子がいる場合(架空の例)
年収650万円の会社員の家庭で、高校1年と中学2年の子がいるとします。この人の支援金の負担は、2026年度で月約620円(650万円×0.23%÷12÷2)、2028年度の見込みでも月1,000円前後です。一方、上の子の分の児童手当は、拡充によって月1万円が新たに支給されています。受け取る額は、払う額の10倍以上です。
天引きは毎月自動で目立ち、給付は口座に静かに振り込まれるので、「取られている」ことだけが印象に残りがちです。一方で、子育てが終わった家庭や子どものいない家庭では、受け取る場面はほとんどありません。どちらの立場でも、まずは自分がいくら払い、いくら受け取っているかを数字で知ることが出発点です。
なぜ独身の人や高齢の人も払うの?
支援金は「独身税」と呼ばれることもあります。こども家庭庁は、その理由を「こどもたちは成長し、やがて社会保障制度の担い手になる。こどもの育ちを支える支援金制度は全ての人にメリットがあるため、社会全体で支える仕組みにしている」と説明しています。また、社会保障の歳出改革で社会保険料の負担を軽くするため、「支援金の導入による実質的な負担は生じない」としています。この説明に納得できるかどうかは人によって分かれますが、国の説明はこうなっていると知っておくと、ニュースの見え方が変わります。
明細で確かめる方法
自分の支援金の額は、給与明細から計算できます。

- 標準報酬月額を見る|給与明細に「標準報酬月額」や「健保標準報酬」と書かれていることが多いです。書かれていなければ、勤め先の給与担当に聞きます
- 0.115%をかける|標準報酬月額30万円なら、30万円×0.115%=345円が、毎月のあなたの負担です
- 3月の明細と並べる|5月以降の「健康保険料」の行に、支援金の分が加わっています
支援金を明細で別の行に分けて書いている会社もあれば、健康保険料にまとめている会社もあります。健康保険料の率そのものが毎年3月分から見直されることもあるので、差のすべてが支援金とは限りません。正確な内訳は、勤め先の給与担当に確かめるのが確実です。秋に手取りが減る理由は、10月に手取りが減る理由で説明しています。
まとめ|今日やる3つのこと
- 早見表で自分の年収の行を見る|年収600万円なら月575円(2026年度)
- 明細の標準報酬月額に0.115%をかける|自分の正確な月額が分かります
- 受け取っている給付も数える|高校生年代までの子がいれば、児童手当の振込額も確かめます
「また知らないうちに引かれるものが増えた」——そう感じるのは自然なことです。見えない天引きほど、不安は大きくなります。
でも、支援金の額は明細の数字から自分で計算できます。そして、払う額と受け取る額を並べてみると、印象とは違う答えが出ることもあります。
この記事を閉じたら、今月と3月の給与明細を並べて、健康保険料の行を見比べてみてください。それだけで、見えなかった天引きが見えるようになります。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。
よくある質問
Q. 扶養に入っている妻(夫)や子どもの分も引かれるの?
A. 別に引かれることはありません。支援金は、働いている本人の標準報酬月額とボーナスの額をもとに計算されるので、扶養している家族が何人いても金額は変わりません。
Q. 育児休業中はどうなるの?
A. 会社員の場合、育児休業中は、医療保険料や厚生年金保険料と同じように支援金も免除されます(こども家庭庁)。
Q. 転職や退職をしたら払わなくてよくなるの?
A. 支援金はすべての公的医療保険で集められるので、転職先の健康保険でも、退職後の国民健康保険でも、入っている保険のルールに沿って負担が続きます。
Q. 自営業の家族や、75歳以上の親はいくら払うの?
A. 国民健康保険と後期高齢者医療制度の金額は、市区町村や広域連合が決めます。こども家庭庁の試算(2026年度)では、国民健康保険で夫婦と子どもの世帯(給与収入は夫婦のどちらか一方のみ)の場合、年収200万円で月400円、300万円で月650円。後期高齢者医療制度で年金収入のみの1人暮らしの場合、年収200万円で月200円です。国民健康保険では、高校生年代までの子どもの分の均等割は全額軽くなるので、子どもの人数で支援金は増えません。実際の金額は、毎年届く保険料の通知で確かめてください。
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免責事項・出典
本記事は、こども家庭庁の公表資料をもとに、筆者が一般向けに整理したものです。年収別の金額はこども家庭庁の試算で、実際の負担額は標準報酬月額・ボーナスの額・加入している医療保険によって異なります。2028年度の金額は国の機械的な試算に基づく見込みで、2027年度以降の支援金率は毎年度定められます。国民健康保険・後期高齢者医療制度の支援金額は、市区町村・広域連合によって異なります。個別の確認は、勤め先の給与担当や加入している保険者にお問い合わせください。
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」 https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido
- こども家庭庁「年収別の支援金額の試算(令和8年度)」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/7891820b/20260206policies-kodomokosodateshienkinseido-05.pdf
- こども家庭庁「令和9年度以降の支援金額の見込み」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/e7968b5b/20251226policies-kodomokosodateshienkinseido-03.pdf
- こども家庭庁「被用者保険加入者向けリーフレット」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/5d364161/20260324policies-kodomokosodateshienkinseido-12.pdf
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度に関するよくある質問」 https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkin/faq
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