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「2026年から、会社員の手取りが少し増える」——そんなニュースを見て、自分にどう関係するのか気になった方へ。
本記事は、給与明細を眺めるだけだった40代会社員が、2026年の基礎控除改正で月いくら手取りが増えるのかを、パパとママの対話を交えながら最後までわかるように整理しました。年収500〜800万円帯の会社員なら、月2,000〜5,000円ほど増える見込みです。
ただし、この特例は2025年と2026年の2年限定。読み終わるころには、2027年に消える前にやっておくべきことが3つに整理されます。
はじめに|給与明細の「所得税」を見たことがありますか
給与明細を開いたとき、「所得税」という項目で毎月いくらか天引きされていますよね。年収600万円の会社員なら、月およそ1万6,000円・年20万円ほどが天引きされる目安です(国税庁 源泉徴収税額表を参考)。
この所得税、どうやって計算されているか知っていますか。

給与明細の所得税、毎月1万6,000円ほど引かれてるけど、どうやって決まってるの?

実はそんなに単純じゃないんだ。年収から「経費」と「値引き枠」を引いた金額に税率を掛けるんだよ。今回の2026年改正で、その「値引き枠」が大きく変わるんだ。
そもそも所得税はどう計算されているか
所得税は、年収にいきなり税率を掛けるわけではありません。いくつかの「経費」と「値引き枠」を引いてから、税率を掛ける仕組みです。
ざっくり、計算の流れはこうなります。
年収(給料の額面合計) − 給与所得控除(給料から自動で引かれる経費) − 基礎控除 (みんな一律で引かれる値引き枠) − その他の控除(社会保険料・配偶者控除・扶養控除など) = 税金がかかる金額(課税所得)課税所得 × 税率(5〜45%)= 所得税
ここで、今回の主役になるのが3行目の「基礎控除」です。
基礎控除は「みんな一律の値引き枠」
基礎控除は、会社員・自営業・パート・年金生活者を問わず、所得税の計算で誰でも一律に引かれる金額です。所得税の世界での「最初の値引き枠」のようなもの。
これまで何十年も、基礎控除は48万円で固定されていました。年収にかかわらず、誰でも48万円を所得から引いてもらえる、という仕組みです。

「給与所得控除」と「基礎控除」って、どっちも「経費っぽい」けど何が違うの?

給与所得控除は「会社員にかかる経費」として、年収に応じて自動的に引かれる金額。実際にスーツ代やカバン代を計算するわけじゃなくて、年収に応じた一律ルールで決まる。一方の基礎控除は、会社員でも自営業でも年金生活者でも、誰でも一律に引かれる「最初の値引き枠」。仕組みが違うんだよ。
この48万円が、2025年改正で大きく変わりました。
2026年から、この「値引き枠」が大きく増えます
2025年(令和7年)の税制改正で、基礎控除が48万円から最大95万円に引き上げられました。さらに2026年(令和8年)には、上限が最大104万円まで拡大します。
引き上げの中身(年収400〜800万円帯に絞って)
年収400〜800万円の会社員にとって、関係する数字は次の通りです。
| 年 | あなたが受けられる基礎控除 |
|---|---|
| 2024年まで | 48万円 |
| 2025年 | 68万円(年収400〜650万円の場合) |
| 2026年 | 104万円(年収400〜650万円の場合) |
| 2027年〜 | 58万円(元に近い水準へ戻る予定) |
※年収帯によって金額が少し変わります(後述)。
つまり、2025年と2026年の2年間が「特に大きく増える時期」で、2027年からは小さく戻ります。

なんで2025年と2026年だけ大きく増えるの?ずっと続けてくれればいいのに。

物価高への一時的な対応として、政府が2年限定の「特例」として上乗せしたんだ。恒久的に減税し続けると国の税収が大きく減ってしまうから、期間を区切ったというわけ。だから2027年からは元の水準に戻る予定なんだ。
田中46歳・年収620万円の場合
ここから、papa-fpの読者層に近い具体的な家庭の数字で見ていきます。「うちと同じくらいかな?」と照らし合わせながら読んでみてください。
田中家のプロフィール
| 項目 | 田中家 |
|---|---|
| 夫・田中健一さん | 46歳・印刷会社の営業職・年収620万円 |
| 妻・美咲さん | 44歳・スーパーで週3日パート・年収120万円 |
| 子・花さん | 19歳・地元の国立大学2年生 |
| 住居 | 35年住宅ローン残22年(月返済10万円) |
| 預貯金 | 約500万円 |
田中家の月の家計(手取りベース)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 田中さん手取り月収 | +32万円 |
| 美咲さんパート | +10万円 |
| 月の世帯手取り | =+42万円 |
| 住宅ローン返済 | ▲10万円 |
| 食費(大学生1名込み) | ▲7万円 |
| 光熱費 | ▲2万円 |
| 通信費(スマホ3台+ネット) | ▲2万円 |
| 教育費・大学(月積立) | ▲3万円 |
| 保険料(生命・医療・自動車) | ▲3万円 |
| その他生活費 | ▲8万円 |
| 残り(貯蓄に回せる額) | =月7万円 |
ここまでの数字、あなたの家計と比べていかがですか。住宅ローンの月返済10万円・食費7万円・月の貯蓄7万円——papa-fp読者層によくある40代後半の家計です。
月3,100円の減税が入ると、田中家はどう変わるか
田中家の月の世帯手取り42万円に、2026年は月3,100円が上乗せされる計算です。年で3.7万円・2年で7.4万円。
田中家にとっての3,100円は、月の貯蓄が7万円→7.31万円に増える計算。一見ほんの少し。でも2年積み上がると7.4万円になります。
| 田中家のシミュレーション | 内容 |
|---|---|
| 2025年 1年間の減税額 | 約2万円(基礎控除68万円ゾーン) |
| 2026年 1年間の減税額 | 約3.7万円(基礎控除104万円ゾーン) |
| 2年間の合計 | 約5.7万円 |
| 2027年からの減税額 | 約9,000円(58万円に戻るため) |
「2年で5.7万円」という数字を、家計のどこに位置づけるか。家族での1泊2日の温泉旅行1回分。あるいは、花さんの大学2年生の前期の教科書代1セット分。
具体的な計算は税率や各種控除で複雑になるため、結論だけお伝えします。年収620万円の田中さんの2026年は、2024年と比べて年3.7万円ほど所得税が減る——これが基礎控除拡大による効果の目安です(国税庁 所得税の税率・国税庁 No.1199 基礎控除に基づくpapa-fp編集部試算)。
ここで田中家が直面する最大の選択は——「2年で5.7万円を、気づかず家計に紛れさせるか、形にして残すか」です。記事の最後で、田中家の答えに戻ります。
あなたの年収別・月いくら増えるか
田中さん以外の年収帯では、減税額がどう変わるか見ていきましょう。
2026年分の減税額の目安
| あなたの年収 | 月の減税額 | 年の減税額 |
|---|---|---|
| 500万円 | 月2,000円 | 年2.4万円 |
| 600万円 | 月3,100円 | 年3.7万円 |
| 700万円 | 月3,500円 | 年4.2万円 |
| 800万円 | 月4,700円 | 年5.6万円 |
※扶養家族なし・各種所得控除なしの単純試算。実際の金額は配偶者控除・社保控除等で変動します。
参考:国税庁 No.1199 基礎控除・国税庁 所得税の税率・財務省 令和8年度税制改正の大綱を元にpapa-fp編集部で試算

うちは年収620万だから、月3,100円ね。月にしたら家族で外食1〜2回分くらいかな。

そう。普通に生活していたら気づかないくらい小さな規模。だからこそ「2027年に消える前に何かしないと損だよ」という話が、この記事の核心なんだ。
ただし2027年からは元の水準に戻ります
ここが、本記事の最も大事なポイントです。
2025年・2026年の大きな基礎控除は、この2年間だけの暫定的な引き上げです。2027年(令和9年)からは、基礎控除は58万円に戻る予定です(恒久的な改正部分のみ残ります)。
つまり、田中さんの場合:
| 年 | 基礎控除 | 月の減税額(2024年比) |
|---|---|---|
| 2024年 | 48万円 | 0円 |
| 2025年 | 68万円 | 月1,700円 |
| 2026年 | 104万円 | 月3,100円 |
| 2027年〜 | 58万円 | 月900円 |
2027年からは「少しだけ減税が残る」程度に戻ります。

えっ、じゃあ2027年からは月900円に減っちゃうの?せっかく増えたのに……

そう。だから2025年と2026年の2年間が、もっとも家計が楽になる時期。この2年で増えた減税分を「使ってしまった」家庭と「貯めた」家庭で、2027年以降の家計は大きく差が出るんだ。
大学生の子がいる家庭はもう1つ朗報があります
2025年改正では、もう1つ新しい制度が始まりました。特定親族特別控除です。
どんな制度か
19歳以上23歳未満の子(大学生・若い社会人)でアルバイト収入がある場合、年収58〜85万円の範囲なら、親が最大63万円の控除を受けられる新しい仕組みです。
田中さんの場合、娘の花さん(19歳・大学2年生・バイト年収70万円)が対象になります。
どうやって申請するか
10月の年末調整で、勤務先から渡される「給与所得者の特定親族特別控除申告書」に、子の名前・生年月日・年収を記入して提出するだけです。
この書類を提出しないと、年6.3万円の控除を取り損ねます。

うちの花、大学2年生でバイトも本格化してるから、これ忘れちゃダメね。年6.3万円って大きい!

そう、書類1枚出すだけで6万円違うんだから、絶対忘れちゃダメ。10月に勤務先から書類が渡されたら、すぐ書いて提出するよ。
年末調整で会社員がやること(実は2つだけ)
「基礎控除95万円改正」と聞くと、何か特別な手続きが必要に思えるかもしれません。実は、会社員がやることは2つだけです。
① 10月の年末調整書類を「いつも通り」記入する
毎年10月頃、勤務先から「給与所得者の基礎控除申告書 兼 ◯◯」という書類が渡されます。これに自分の合計所得見積額を記入します。
書く金額の目安:
| あなたの年収 | 書く金額(合計所得見積額の目安) |
|---|---|
| 400万円 | 約276万円 |
| 500万円 | 約356万円 |
| 600万円 | 約436万円 |
| 700万円 | 約520万円 |
| 800万円 | 約610万円 |
※年収から給与所得控除(経費)を引いた数字。給与所得控除の額は国税庁 No.1410で確認できます。
これだけで、勤務先が自動的に基礎控除を計算してくれます。あなたが「68万円」「104万円」と細かく決める必要はありません。
② 大学生の子がいるなら、新しい申告書も追加で出す
「給与所得者の特定親族特別控除申告書」が同時に渡されます。該当する家庭は、子の名前・年収を書いて提出するだけ。
よくある誤解と正解
誤解①「年収160万円までは税金がかからない」
正解:所得税はゼロでも、住民税は約10万円・社会保険料は約23万円かかります。「所得税ゼロ=税金ゼロ」ではありません。
誤解②「全員が95万円・104万円の控除を受けられる」
正解:年収帯によって変わります。年収400〜650万円帯なら2025年は68万円・2026年は104万円。年収が高くなると、控除額は段階的に小さくなります。
誤解③「住民税も同じように減る」
正解:住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きです。所得税と住民税は別の制度なので、住民税は変わりません。
誤解④「2027年以降もこのまま続く」
正解:2025年・2026年の大きな引き上げは2年限定の暫定措置です。2027年からは58万円に戻る予定です。
papa-fp の場合(実例コラム)
papa-fp編集長(40代会社員FP・FP2級・簿記3級)の場合、年収帯では2025年は基礎控除68万円・2026年は104万円。月の減税額は田中さんと同じくらいの月3,000円ほどでした。
ただし、住民税は据え置きなので、給与明細を見た感覚としては「税金が大きく減った」というほどの実感はありません。月3,000円は外食1〜2回分。普段の生活ではほぼ気づかない規模だ、というのが正直な感想です。
それでも「2027年に元に戻る」という事実を知っているかどうかで、この2年間の家計の整え方は変わります。
まとめ|本記事を読んだあなたが今日やること
最後に、本記事の核心を3行でまとめます。
そして、もし1つだけ行動するとしたら——

結局、私たち夫婦は何をすればいいの?月3,000円って、気づいたら使っちゃいそうだけど……

専用の貯蓄口座を1つ作って、毎月3,000円を自動振替するだけ。それだけで、2年後には7.4万円のまとまったお金が手元に残る。家族旅行1回分くらいになるよ。
この2年間で増える月3,000円・年7.4万円を、家計に紛れさせない仕組みを1つ作ること——これが本記事を最後まで読んだ価値です。
よくある質問
Q. 月3,000円程度の減税って、本当に意味があるの? A. 単月で見れば小さいです。ただし2年で約7.4万円になります。家計に紛れさせない仕組みを作ることに価値があります。
Q. 配偶者控除はどう変わる? A. 配偶者控除を満額受けられる配偶者の年収ラインが、年収123万円から136万円に上がりました。配偶者特別控除がゼロになる年収201万円のラインは据え置きです。詳しくは106万の壁 撤廃の記事を参照。
Q. 住民税は本当に変わらないの? A. はい。住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きです。「2026年6月から住民税が上がった」と感じる方も多いですが、それは別の理由(定額減税の終了など)です。詳しくはPost 836 住民税が2026年6月から上がった理由を参照。
Q. 自営業・フリーランスの場合は? A. 自営業の方も基礎控除の引き上げ対象ですが、給与所得控除はないため計算が異なります。本記事は会社員向けの解説で、自営業向けの解説は別記事で扱います。
次の3分|あなたの一歩が、papa-fpの存在意義です
私(papa-fp編集長・40代会社員FP)がこのブログを書き続ける理由は、ただ一つ——あなたが「お金の不安」から少しでも自由になり、自分と家族のために使える時間を取り戻してほしいから、です。
月3,000円・年7.4万円という、一見小さな数字。これを「気づかず使ってしまうか」「形にして残すか」で、5年後・10年後の家計の景色は確実に変わります。
今日この記事を読んだあなたが、「専用の貯蓄口座を1つ作る」「配偶者と30分だけ家計の話をする」「年末調整書類を見直す」——このうち、たった1つでも動いてくれたなら、私がこのブログを書く意味があります。
完璧でなくていい。明日からでなくていい。
家族のために、自分のために、今日の小さな一歩を踏み出してください。 あなたの一歩が、私の励みです。
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免責事項
本記事は、執筆時点(2026年5月6日)の国税庁・財務省・総務省の公開資料および各種税理士法人解説をもとに、40代会社員FP(FP2級・簿記3級)が一般向けに整理したものです。個別の税務判断は税理士または国税庁公式(https://www.nta.go.jp/)にご確認ください。本記事の数値・税制ルールは執筆時点の一般モデルであり、法改正により変更される可能性があります。
出典・参考リンク
- 国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等
- 国税庁 No.1199 基礎控除
- 国税庁 No.1410 給与所得者の特定支出控除
- 国税庁 給与所得者の各種控除申告書
- 国税庁 源泉徴収税額表
- 財務省 令和8年度税制改正の大綱
最終更新: 2026年5月6日 / 執筆: ウェルス(papa-fp編集長)


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