ふるさと納税したのに住民税が安くなってない?6月の通知書で控除を確認する方法【2026年版】

ふるさと納税したのに住民税が安くならない?通知書の見る場所と、取り戻し方

※当サイトはアフィリエイト広告を含みます(本記事には広告リンクはありません)。計算方法は総務省・国税庁の公表資料をもとにしています。

ふるさと納税をしたのに、6月に会社で配られた住民税の通知書や、毎月の給与明細を見ても、住民税が安くなった感じがしない。「ちゃんと控除されているのかな」と気になっている方は多いと思います。

6月、会社で配られた住民税の通知を見て首をかしげる会社員

でも実は、ほとんどの場合は正しく控除されています。住民税の控除は、寄付した次の年の6月から1年間・12回に分けて少しずつ引かれるので、1か月あたりの差が小さく、気づきにくいだけなのです。ただし1つだけ、本当に控除が消えてしまう、見落としやすい落とし穴があります。

この記事では、①なぜ安くなった感じがしないのか ②戻るお金はどこに分かれるのか ③通知書のどこを見れば確かめられるのか ④合わないときの原因 ⑤控除が消えていたときの取り戻し方を、図で説明します。

この記事の結論
① 住民税は翌年6月から12回に分けて安くなる(寄付5万円・ワンストップなら月約4,000円)
② 確かめるのは住民税決定通知書の「摘要」欄か「税額控除額」の欄
③ ワンストップの申請をした後に確定申告をすると、申請は無効になる。申告書に寄付を書き忘れると控除が消える
④ 消えていても、5年以内なら税務署で取り戻せる
目次

安くなった感じがしないのは、12回に分けて引かれるから

ふるさと納税で戻ってくるお金は、銀行口座にまとめて振り込まれるわけではありません。住民税の分は、寄付した次の年の6月から、その次の年の5月まで、毎月の住民税が少しずつ安くなる形で戻ってきます。

ふるさと納税の住民税の控除は、寄付した次の年の6月から12回に分けて少しずつ引かれる(寄付5万円・ワンストップなら月約4,000円)

たとえば2025年に寄付した人は、2026年6月から2027年5月までの住民税が安くなります。会社員の住民税は毎月の給料から天引きされるので、1年分の控除が12回に分けて反映されます。

寄付5万円で、ワンストップ特例を使った場合、住民税から引かれるのは48,000円です。12で割ると1か月あたり約4,000円。住民税は毎年の給料の変化でも上下するので、この差は明細だけではまず気づけません。

しかも2026年は、別の理由で住民税が上がった人もいます。前の年にあった定額減税がなくなったためです(詳しくは住民税が2026年6月から上がった理由)。ふるさと納税で安くなった分が、ほかの理由で上がった分に隠れてしまい、「安くなっていない」と感じやすい年なのです。

ママ
ママ

去年5万円も寄付したのに、6月の住民税、ぜんぜん安くなってない気がするの。どこに消えたのかしら?

パパFP
パパFP

消えてはいないんだ。1年分を12か月に分けて引いているから、1か月あたりは4,000円くらい。明細だけ見ても分かりにくいんだよ。

戻るお金は3か所に分かれる(寄付5万円の例)

ふるさと納税は、寄付した金額から自己負担の2,000円を引いた残りが、税金から差し引かれる仕組みです(上限額の範囲内で寄付した場合)。この差し引きは、1か所ではなく3か所に分かれます(総務省)。

  • 所得税|(寄付額−2,000円)×所得税率×1.021
  • 住民税・基本分|(寄付額−2,000円)×10%
  • 住民税・特例分|(寄付額−2,000円)×(90%−所得税率×1.021)

式だけでは分かりにくいので、寄付5万円・所得税率20%の人で計算した例を図にしました。

寄付5万円・所得税率20%の例:戻る48,000円は所得税・住民税の基本分・特例分の3か所に分かれる。ワンストップなら全額が住民税から

確定申告をした人は、48,000円のうち約9,802円が所得税から戻り、残りの約38,198円が住民税から引かれます。所得税の分は、確定申告の後に口座へ振り込まれる「還付」として、春のうちに先に戻っています。

一方、ワンストップ特例を使った人は、所得税からは戻りません。そのかわり、48,000円の全額が住民税から引かれます。どちらの方法でも、戻る合計は同じ48,000円です。

💡 自分の所得税率の目安(国税庁)
税率は、源泉徴収票の金額から各種の控除を引いた「課税される所得」で決まります。
・195万円未満:5%
・195万円以上330万円未満:10%
・330万円以上695万円未満:20%
・695万円以上900万円未満:23%
※「1.021」は、所得税に上乗せされる復興特別所得税の分です

ワンストップ特例とは

ワンストップ特例は、確定申告をしなくても、寄付先の自治体に申請書を送るだけで控除が受けられる仕組みです。使えるのは、もともと確定申告をしなくてよい会社員などで、1年間の寄付先が5自治体以内の人です。申請書は、寄付した次の年の1月10日までに届くように送ります(港区の案内)。仕組みの全体はふるさと納税の仕組みの記事で説明しています。

通知書のどこを見る?ワンストップと確定申告で違う

本当に控除されているかは、住民税決定通知書で確かめるのが確実です。会社員なら、5月から6月ごろに勤め先から配られる紙です。給料から天引きされていない人は、6月ごろに市区町村から自宅へ届きます。

住民税決定通知書で見る欄:ワンストップの人は摘要欄の寄附金税額控除額、確定申告をした人は税額控除額の欄

ワンストップ特例を使った人

通知書の「摘要」欄を見ます。「寄附金税額控除額」などの名前で金額が書かれています。この金額が「寄付した合計−2,000円」とほぼ同じなら、正しく控除されています。市町村民税と道府県民税に分かれて書かれているときは、2つを足してください。

確定申告をした人

通知書の「税額控除額」の欄を見ます。ここには住民税の分しか入らないので、「寄付した合計−2,000円」より少なく見えます。これは間違いではありません。所得税の分は、確定申告の還付で先に戻っているからです。

確かめるときは、住民税の控除額に、所得税で戻った分(寄付額−2,000円×所得税率×1.021)を足します。合計が「寄付した合計−2,000円」とほぼ同じなら、全額戻っています。

去年の通知書が手元にあれば、2枚を並べてみるのもおすすめです。寄付した年としなかった年で、寄附金の控除の欄がどう変わったかが一目で分かります。毎年寄付している人は、金額が寄付の合計に合わせて動いているかを見てください。

⚠️ 欄の名前は市区町村で違います
住民税決定通知書の様式は、市区町村によって少しずつ違います。「摘要」「税額控除額」という名前が見当たらないときは、「寄附金」という言葉を探してください。それでも分からなければ、通知書を発行した市区町村の住民税の窓口で聞くのが早道です。

計算が合わないときの5つの原因

「足しても合わない」「明らかに少ない」「0円になっている」と感じたら、次の5つを上から順に確かめてください。

控除が合わないときに上から順に確かめる5つの原因
  1. 申請・申告をしていない|ワンストップの申請書を出し忘れた、または期限(翌年1月10日)に間に合わなかった。確定申告もしていなければ、控除は1円もありません
  2. 6自治体以上に寄付した|ワンストップは5自治体まで。6か所以上に寄付した年は、確定申告をしないと控除されません
  3. ワンストップの後に確定申告をした|確定申告をすると、先に出したワンストップの申請は「なかったもの」になります(国税庁)。申告書に寄付を書き忘れると、控除が消えます
  4. 上限を超えて寄付した|住民税の特例分には、住民税のうち所得に応じてかかる部分の2割までという上限があります。超えた分は、2,000円とは別の自己負担になります
  5. 見る場所が違う|確定申告をした人は、住民税の欄だけ見ると少なく見えます。所得税で戻った分も足して確かめます

上限額は、年収・家族の人数・ほかの控除によって変わります。寄付する前に、総務省やふるさと納税サイトの計算ページに、源泉徴収票の金額を入れて確かめておくと安心です。上限ぎりぎりではなく、少し余裕を持たせて寄付するのが、自己負担を増やさないコツです。

見落としやすい落とし穴:ワンストップの後に確定申告をした

5つの原因のうち、気づかないまま控除が消えやすいのが3つ目です。具体的な流れを、架空の例で見てみます。

例:医療費控除で確定申告をした42歳の会社員(架空の例)

会社員のBさん(42歳)は、2025年に4つの自治体へ合計6万円を寄付し、ワンストップの申請書も4通とも1月10日までに送りました。ところが年明けに、家族の通院で医療費が年10万円を超えていたことに気づき、医療費控除を受けるために確定申告をしました。

Bさんは「ふるさと納税はワンストップで済んでいる」と思っていたので、申告書に寄付の6万円を書きませんでした。しかし確定申告をした時点で、ワンストップの申請は4通とも「なかったもの」になっています。このままでは、受けられるはずだった58,000円(6万円−2,000円)の控除がまるごと消えてしまいます。

夜、食卓で申告書の控えと住民税の通知を見比べる夫婦

Bさんが気づいたのは、6月に会社で配られた住民税決定通知書でした。去年は金額が入っていた寄附金の控除の欄が、今年は空欄になっていたのです。

ママ
ママ

ワンストップを出したのに、確定申告をしたら無効になるなんて知らなかった……。

パパFP
パパFP

確定申告をする年は、ワンストップを出していても、寄付を全部申告書に書く。これだけ覚えておけば大丈夫だよ。

医療費控除のほかにも、住宅ローン控除の1年目、副業の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円を超えたとき、年の途中で退職して年末調整を受けていないときなど、会社員でも確定申告をする年はあります。その年は、寄付の受領証明書をそろえて、申告書に全部書いてください。

控除が消えていたら:5年以内なら取り戻せる

もし控除が消えていても、あきらめる必要はありません。税務署で手続きをすれば、あとから取り戻せます。手続きの名前と期限は、確定申告をしたかどうかで変わります(国税庁)。

控除が消えていたときの取り戻し方:更正の請求と還付申告の期限
  • 確定申告をしたが、寄付を書き忘れた|税務署で申告の内容を直す手続き(更正の請求)をします。期限は、確定申告の期限から5年以内です
  • ワンストップの申請も確定申告もしていない|税金を返してもらうための申告(還付申告)をします。寄付した次の年の1月1日から5年間できます

どちらも、寄付先から届いた寄附金受領証明書(なくしたときは寄付先の自治体に再発行を頼みます)と、源泉徴収票があれば手続きできます。税務署で直すと、所得税が戻るだけでなく、その内容が市区町村にも伝わり、住民税もあとから直されます。

ただし、寄付を足しても所得税の金額が変わらない人(ほかの控除で所得税がすでに0円の人など)は、更正の請求ができません。その場合は、市区町村の住民税の窓口に相談してください(国税庁)。

原因が分からないときは、まず通知書を発行した市区町村の住民税の窓口に、「寄附金の控除が反映されているか」を聞いてください。申請書が届いていたか、確定申告が出ていたかまで教えてもらえます。

まとめ|今日やる3つのこと

  1. 住民税決定通知書を出して、寄附金の控除の欄を見る|「寄付した合計−2,000円」とほぼ同じなら安心です
  2. 今年、確定申告をしたかを思い出す|した年は、申告書の控えに寄付が書かれているかを確かめます
  3. 合わなければ、市区町村の窓口に聞く|書き漏れなら、5年以内に税務署で取り戻せます

住民税の控除が反映されるのは6月ですが、会社員の毎月の手取りは、10月にも社会保険料の見直しで変わります(10月に手取りが減る理由)。年末調整の変更点は年末調整2026年の変更点で説明しています。

「ふるさと納税をしたのに、住民税が安くなっていない気がする」——そのモヤモヤは、確かめ方を知らないだけで、ほとんどの場合は心配いりません。
そして、もし本当に控除が消えていても、5年以内なら取り戻せます。大事なのは、気になったまま通知書をしまい込まないことです。
この記事を閉じたら、住民税決定通知書を出して、寄附金の控除の欄を1か所だけ見てみてください。それだけで、去年の寄付がきちんと形になっているかが分かります。
あなたとご家族が、お金の不安から自由になりますように。それがこのブログを書き続けている、たった一つの理由です。

よくある質問

Q. 通知書をなくしてしまったら?

A. 会社員なら、まず勤め先の給与担当に控えがないか聞いてください。見つからないときは、住んでいる市区町村の住民税の窓口に問い合わせると、控除が反映されているかを確かめられます。

Q. 上限を超えて寄付すると、どうなるの?

A. 超えた分は控除されず、2,000円とは別の自己負担になります。返礼品は受け取れるので損ばかりではありませんが、「実質2,000円」ではなくなります。

Q. ワンストップの申請は紙でしか出せないの?

A. 自治体によっては、マイナンバーカードを使ってオンラインで申請できます(総務省)。対応しているかどうかは、寄付先の自治体やふるさと納税サイトの案内で確かめてください。オンラインでも、期限は寄付した次の年の1月10日です。

Q. 寄付した年に引っ越したら?

A. 住民税は、寄付した次の年の1月1日に住んでいた市区町村でかかります。ワンストップの申請後に住所が変わったときは、寄付先の自治体に変更の届け出が必要です。

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免責事項・出典

本記事は、総務省・国税庁・自治体の公表資料をもとに、筆者が一般向けに整理したものです。計算例は寄付5万円・所得税率20%などの条件を置いた一例で、実際の控除額や上限額は、年収・家族構成・ほかの控除・お住まいの市区町村によって異なります。住民税決定通知書の様式も市区町村によって異なります。個別の判断は、税務署・お住まいの市区町村の住民税の窓口・税理士にご確認ください。

  • 総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html
  • 総務省「よくわかる!ふるさと納税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/
  • 国税庁 タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.2026「確定申告を誤ったとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.2030「還付申告」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
  • 港区「ふるさと納税ワンストップ特例」案内 https://www.city.minato.tokyo.jp/documents/81793/20260227105020.pdf
  • 国税庁 タックスアンサーNo.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm

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この記事を書いた人

40代の会社員(営業職20年・店長/本部企画教育を経験)。新NISAでのインデックス投資歴は5年で、SBI証券・楽天証券を運用中。妻と子ども2人・愛犬1匹の5人家族です。結婚と子育てをきっかけに、お金と向き合い始めました。同じ40代の会社員に向けて、金融庁・国税庁など一次情報を確認しながら、制度の仕組みと自分の実体験を等身大で発信しています。特定商品や個別プランの推奨は行いません。

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